レジリエンス(折れない心)は自己肯定感でつくる | 一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会

レジリエンス(折れない心)は自己肯定感でつくる

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レジリエンス(resilience)という言葉を聞いたことはありますか?

これは失敗を成長の糧にして、成功へと導く力。失敗することへの恐怖心や苦手意識を消し、一歩踏み出す力のこと、逆境力や精神的回復力ともいいます。

日本の企業の人材育成担当者からも、この言葉を聞くことが増えてきました。

アメリカの経営誌『ハーバード・ビジネス・レビュー」は、学歴や経験や訓練よりも個人の「レジリエンス」のレベルが、成功や失敗を決定づけ、さらに、日本のレジリエンス普及の第一人者である久世浩司氏も「レジリエンスを鍛えることが精神的な打たれ強さを持つ人材を育てるだけではなく、ストレス耐性やリーダーとしての能力や自律的なキャリアを送るための大事な要素となる」と述べています。

「レジリエンス」には、逆境の中挫折して立ち直れないときや、落ち込んだ状態からなかなか抜け出せないときなど、つらいことがあったときでも、いかに早く復活することができるかの「回復力」と、ピンチやトラブルに直面したときに、めげたりあきらめたりせずに、その状況を受け入れ、ときに跳ね返し、またはスルーするといった、その時に応じた臨機応変な対応ができるかの「緩衝力」。さらに、社会が急速に変化していく中で、自分の外側の変化に柔軟に対応することができるかの「適応力」の3つの側面があると言われています。

ただし、ここで忘れてはならないのは、いきなり「レジリエンス」だけを高めようとしても、その土台となる「自己肯定感」が持てていないと、土台のない家のようになってしまい、逆境を乗り越えるどころか、脆くも崩れてしまう状況を作りかねません。

「レジリエンス」を作り上げていくには、自己受容し、自分の価値を認められる「自己肯定感(自尊心)」が土台として必要なのです。

心の強さは、自分の弱さやダメなところも、ちゃんと受け入れられてこそ生まれるものです。自分の良い面だけではなく、弱いところや欠点がある自分であっても、自己否定せずに自分の価値を認められる「自己肯定感」が「レジリエンス」を高める上でも非常に重要となるのです。

又、「自己肯定感」と切り離せないのが「感情のコントロール」です。感情的になりやすい人ほど「自己肯定感」が低く、自己評価が低い傾向にあり、常に外側の環境に左右されてしまいます。感情のコントロールができずして、レジリエンスを高めることはできませんが、その感情のコントロールの鍵となるのも「自己肯定感」なのです。

安定した感情に支えられた「自己肯定感」が高まると、それはそのまま自己信頼の強い状態になり、「自分がやることはうまくいく」という自信、「自己効力感(self-efficacy)」になります。

このように「自己肯定感」が高まり、「自己効力感」が持てると、「楽観性」が持てるようになり、これらの土台ができてはじめて、逆境や困難を前向きに、乗り越えていく「レジリエンス」が培われていくのです。

ここでの楽観性は、何でもポジティブに考える非現実的な楽観的態度ではなく、出来事をありのまま正確に見て、そこから合理的に判断したり、柔軟に対応する態度を持ち、最終的にそれを肯定的に捉えて、自分にどう生かしていけるかを考えられることです。

ですから、これらのステップを踏まずに、クヨクヨしがちな人や、自信が持てない人が、いきなり一足飛びに「レジリエンス」を高めようとしても難しいのです。なぜなら、このようなケースでは、土台となる「自己肯定感」が低いことが問題であることが多く、そこを改善できないと真のレジリエンスとはならないからです。遠回りのようでも「自己肯定感」の土台から取り組むことで、「レジリエンス」はしっかりと高めていくことができるのです。

これが企業の人材育成担当者の方から、ご相談を受けるときにお伝えする内容です。

「自己肯定感」の低さが抑うつの症状とも関連していることから、メンタルヘルスの向上のためにも「自己肯定感」が注目されていますが、近年、個々の「自己肯定感」を高めることが、メンタルシックを予防するだけでなく、個々の幸福度やレジリエンスを高め、仕事のパフォーマンスにも大きく影響していることが注目されています。

参照:レジリエンスの鍛え方 久世浩司著

(文責:工藤紀子)

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4月 2024
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