自己肯定感とは? | 一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会

自己肯定感とは?

自己肯定感とは?

自己価値に関する感覚であり、自分が自分についてどう考え、どう感じているかによって決まる感覚です。自己肯定感とは「自分の存在そのものを認める」感覚であり、「ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止めることができる感覚」のことで、「自分が自分をどう思うか」という自己認識が自己肯定感を決定づけています。

さらに、そのままの自分を認め受け入れ、自分を尊重し、自己価値を感じて自らの全存在を肯定する「自己肯定感」の感覚は、何ができるか、何を持っているか、人と比べて優れているかどうかで自分を評価するのではなく、そのままの自分を認める感覚であり、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在」だと思える心の状態です。この感覚を持てると、自分を尊重するように他者や周りも尊重できます。すると他者からも尊重されお互いに尊重し合える関係が作れます。

自分は尊重するが、相手や周りは尊重しない、自分の価値は認めるが相手の価値は認められない、どちらかというと自分さえよければいいと身勝手な思考、行動をとりやすい傾向の人は「自己肯定感」が高いとは言えません。

又、自己肯定感が高いことは、今の自分に妥協して成長を止めたり、傲慢になることではなく、どんな自分であっても、今の自分を受け入れることで、恐れや不安や自己否定からではない、安心感をベースにした真の意欲とともに、前に進む力を与えてくれるものです。

どんな自分も受け入れ、肯定することで、外側からの評価で揺らされることなく、自分軸で自分の価値を感じ、自己承認できる力のことを当協会では「自己肯定力」といいます。自己肯定力が高まると感情が安定し、物事を肯定的に捉え、何事にも意欲的になれます。「自己肯定力」は自己を信頼できる自信の源となります。

自己肯定感は、高い、低いと表現されますが、自己肯定感が高いから良い、低いから悪いということではありません。この感覚は人の優劣を決めるものではありませんが、この感覚が高いか、低いかが人の人生に与える影響は大きくなります。

セルフエスティーム(self-esteem)は自己肯定感、自尊心、自尊感情、自己評価、自己有用感、自己重要感と日本語訳されます。この言葉ひとつひとつを厳密に使い分けることもできますが、当協会では、「自己肯定感」という用語で広くとらえております。

自己肯定感は人生のあらゆる領域の土台となるものです。その領域とは、人間関係や仕事、パートナーシップや結婚、自己実現や健康面など、自分の人生を豊かで満足のいくものに感じられるかどうかを左右する、幸福に大きく影響している部分です。

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自己肯定感は、人生の質を左右する

自己肯定感は人が生きていくうえで一番土台となる大切なものです。

なぜなら、「自己肯定感」は、仕事や収入、職場での人間関係や結婚や恋愛でのパートナーシップ、自己実現などの人生のあらゆる部分に影響を与え、人が生きていく上での幸福感や満足度を決定づけていくからです。

日々の生活の中で、仕事で成果を上げ、人間関係が良好で、自分の望みや夢を次々と実現し、望ましい現実を手にいれて楽しそうに人生を歩んでいる人と、そうでない人の違いは、能力や才能、置かれた環境以前に「自己肯定感」が高いか低いかが大きく明暗を分けています。

例えば、今の自分をなんとかしたいと思い、「自分は成功する」「自分は素晴らしい」「自分はできる」と自分が望む状態をアファメーションしたとしても、根底に自己肯定感が持てていないと、かえって逆効果になることがあります。

何かを成し遂げたり、能力を高める努力をしても、そのベースに「自己肯定感」がないと、努力はなかなか報われず、どんなに能力を高めても、その能力を発揮することは難しくなります。

恋愛や結婚においても「自己肯定感」が持てていないと、相手と良好な関係を築くことができません。

あなたの人生のあらゆる部分に必ず影響を与えているのが「自己肯定感」なのです。

自己肯定感が高いと、自信を持って生きていけます。人との関係においても、自分を信頼できるので、人も信頼でき、人からも信頼されるという関係性を築いていけるので、仕事や職場、家庭でもよい影響が出てきます。

自己肯定感が低いと、自信が持てないことで、人間関係で悩むことも多くなり、生きていく様々な場面で、希望を持ち意欲的な行動がとりにくくなります。

「自己肯定感」を知らずに、人生にどんな影響を与えるかを知らないで生きる人生と、「自己肯定感」をしっかり理解して、それを高い状態で歩める人生では、得られる成果や結果は大きく違ってしまうのです。

人生を「車」にたとえると「自己肯定感」はエンジンです

車の運転席に座るのはあなたです。車の馬力はエンジンの大きさで決まります。
自己肯定感が低いと、エンジンが小さな車で進んでいるようなもので、平坦な道は問題なく走れますが、馬力は弱いので、重い荷物を載せたり、登坂になるとスピードが減速してしまいます。
重い荷物や上り坂とは、人生で困難に直面したときです。
逆に、自己肯定感が高いと、エンジンが大きく馬力がある車で進んでいるので、たとえ重い荷物を積んでも、上り坂という困難や問題に直面しても、それを乗り越えてスムーズに進んでいけます。

車の「4つの車輪」に当たる部分を、あなたの人生の豊かさや幸福の質を決める、大事な領域の一つ一つと考えてみましょう。
たとえば、そこにはどんなものが当てはまるでしょうか。
4つの車輪は、「人間関係」、「仕事」、「自己実現」、「健康」だとしましょう。
それぞれの領域で満足のいくものを得られるかどうかは、「自己肯定感」というエンジンの大きさにかかっているのです。
人生のエンジンとなる「自己肯定感」が高まると、エンジンの馬力は強くなり、4つの車輪を動かす力が大きくなります。

日々生きている中で、楽しそうに人生を歩んでいる人、自分の能力が発揮できて仕事で成果を上げている人、人間関係が良好で自分の望みや夢を次々と実現している人は、置かれた環境や能力以前に自己肯定感という土台がしっかりしているのです。
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自己肯定感が本当に必要になるときは?

自己肯定感が高いことが必要となるのは、私たちが何か困難な状況や失敗、批判や拒絶など、自分にとって受け入れがたい状況に直面したときです。そこで、求められるのは動揺せず、落ち込まないことではありません。たとえ動揺して落ち込んだとしても、自分を迅速に立て直し、問題に対処することです。ここに自己肯定感が影響してくるのです。

自己肯定感が高いと、失敗やミスをして落ち込んだとしても、必要以上に自分を否定せず、自己価値を保つことができます

現在世界中で新型コロナウィルスの影響を受けて、働き方や生活様式、社会全体の価値観が大きく変化している中で、自分を支える術となる自己肯定力が非常に重要です。なぜなら、それが新しい変化を受け入れ変化に柔軟に対応する力となるからです。

ここで自己肯定感が高い人と低い人の特徴と傾向をお伝えします。

自己肯定感が高い人の特徴と傾向は?

・自分に対して安心感がある
・自信があり、能動的
・周りに振り回されない、
・物事を肯定的に受け止められる
・自然な意欲で行動に移せる
・自分を肯定的にみられる
・物事を肯定的に受け止められる
・自分を尊重するように他者も尊重できる
・人との違いを受け入れられる
・感情が安定している
・生きるのが楽
・問題解決能力が高い
・失敗を成長の糧にしていける
・他者の意見を聞くことができる
・人の評価に振り回されない
・人をジャッジしない
・人間関係が良好
・自分の考え(意見)を伝えられる
・自分の人生は自分で決めている感覚
・主体性が高く、自分軸

自己肯定感が低い人の特徴と傾向は?

・不安や怖れを持ちやすい
・自信がなく、受身的
・他人の評価で自分を判断する
・人に評価してもらわないと不安
・他人の評価に振り回される
・人と比べて、落ち込みやすい
・他者の意見を聞くことができない
・自分を否定的に見る
・物事を否定的に受け止めやすい
・自分で自分を満たせない。
・他人をジャッジする、
・生きにくさがある
・人間関係にトラブルを抱えやすい
・失敗すると自己価値まで否定しがち
・自分がジャッジされる不安をもつ
・人との違いを認められない
・自分を正当化しないと不安
・他者に対して批判的傾向
・自分の考え(意見)が言えない
・問題解決能力が低い
・罪悪感を持ちやすい
・自分の人生は他人に決められている感覚
・主体性が低く、他人軸

自己肯定感を高める方法は保身的にならないこと

「自己肯定感が高い」と「自分勝手」の違いは?

ここで誤解されやすい自己肯定感の捉え方についてお伝えします。
自己肯定感を高めることを『自分勝手になることなのではないか?』と心配されることがありますが、それは違います。自分勝手は「自分さえ良ければいい」という感覚です。

自信過剰や傲慢、自分勝手な人は態度が大きく横柄な様子が自信があるように見えるのですが、実はこのような人は決して自己肯定感が高いのではなく、むしろ、低い人の特徴と言えます。

また、ありのままの自分を認めることは、自分にうぬぼれたり、自分の短所やダメなところを見ないふりをして、このままの自分でいいと開き直ることでもありません。そして自分の成長を止めてあきらめてしまうことでもないのです。

自己肯定感が高い状態とは、自分の現状をありのまま認識したうえで、それをどう成長につなげていけるかを考えられる感覚のことです。

自己肯定感が持てていない偏った自己愛は、自分は尊重しても、相手や周りは尊重しない、自分の価値は認めても、相手の価値は認められないことです。人とのバランスが推し量れず、どちらかというと自分さえよければいいと身勝手な行動をとりやすい傾向の人は、真の自己愛が持てている(自己肯定感が高い)とは言えません。

真の自己肯定感が持てているかどうかは、自分を認めるように他者を認め、自分を尊重するように、同じように他者も尊重できる「アイムオッケー、ユーアーオッケー(I’m OK.You’re OK.)」の感覚が持てているかどうかが目安になります

自己肯定感はどう育まれるか?

「自己肯定感」は誕生してから長い時間をかけて、多くの複雑な要因がからみあい、育った環境や人生経験と作用しあって形成されます。

子どもの最初の自己肯定感は、生まれてから3,4歳までの親の子どもに対する言葉がけ、働きかけ、育て方により決定するといわれ、その後、12歳ぐらいまでに「自分はどういう人間であるか」という自己認識(能力や価値、他者との人間関係、知性、感情などをどう感じているか)と共に、自己肯定感のベースは決まってきます。

自己肯定感が育まれるには段階があり、はじめに幼少期から親や養育者から愛情を受け、周りからの言葉がけや働きかけによって自分が無条件に受け入れられているという経験を積み重ねていくことで土台が育まれます。

本来、生まれながらにして自己肯定感が低い子どもはいません。子どもはみな自己肯定感を持っていますが、育つ環境で、もともとあった自己肯定感が低くなってしまうのです。

2つの自己肯定感とは?

自己肯定感は、2つの部分からなっていると考えると理解しやすいでしょう。

最初に大事な土台となる部分が、
◆自分の存在そのものを認める「絶対的自己肯定感」
自分には他人に自慢できるところや、他人よりも優れたところがあるからと、自分を肯定する感覚ではなく、自分のダメなところや弱いところ、悪いところも含めて、自分が存在していること自体をまるごと肯定する、存在レベルの自己肯定感のこと。
この自己肯定感は身近な人間(たとえば親)にかけがえのない存在としてまるごと愛され、その苦しみを共感され、ありのまま受け入れられる共感的な人間関係の中でこそふくらんでくるものである(高垣忠一郎著「生きることと自己肯定感」より)

この感覚は、子どもの頃、親や養育者から自分の全存在をまるごと受容してもらうことで、自らの個性や自分らしさに目を向けられ、それを受け止め、受容することで育まれます。

もうひとつは、その上に積み上げる
◆他者評価や相対的評価からなる自信につながる「社会的自己肯定感」
仕事の成果や社会や他者からの相対的な評価、自ら努力することで得られる達成感や成功体験を自分で肯定的に受け止めることで育まれます。これは、環境や状況などに左右されます。

本来、「絶対的自己肯定感」が持てると、自らの努力や成果、結果と共に、他者からの評価も、健全に自己価値として受け止め、真の自信として社会的自己肯定感に積み上げていけます。

しかし、「社会的自己肯定感」だけで、土台に絶対的自己肯定感がないと、能力や成果、結果などの自分に付属しているものをかき集めて「成果や結果、能力や才能」という、自分に付属している部分でしか支えることができなくなり、絶対的自己肯定感がないところに、社会的自己肯定感の部分をいくら獲得しても、達成しても、根底にある不足感を拭うことができず、いっこうに満足を与えてはくれません。それが生きづらさにつながっていくのです。

「絶対的自己肯定感」と「社会的自己肯定感」のバランス

自己肯定感が高い状態では、この2つの自己肯定感のバランスが取れています。バランスが悪いと様々な問題を抱えやすくなります。

「絶対的自己肯定感」が低いと、能力や成果の「社会的自己肯定感」の部分で自己価値を保とうと頑張ります。これはバランスの悪い状態です。

「社会的自己肯定感」は、他者評価や結果などが拠り所になっているので、外的要因によって左右されやすく、それだけで自己を保とうとしてしまうと、その成果や結果がなくなると、とたんに自信をなくしてしまいます

2つの自己肯定感をバランスよく持てると、なかなか社会的な成果が出ないときや、失敗やうまくいかないことで落ち込んでしまうときでも、そこで過度に自己否定せずに、自己価値を保つことができ、何か困難があっても、そこに打ち勝ち、乗り越えていける真の自信になっていくのです。

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自己肯定感を高めると人生が豊かになります

自己肯定感は低くても挽回できるのか?

自己肯定感が低くなってしまう要因として、文化的背景や生育環境など様々な要因が考えられますが、多くの人は自己肯定感の大切さやそれを高める方法をこれまで誰からも教わらずに大人になっています。

これまでに、何らかの理由で低くなってしまった自己肯定感は再び高めることはできるでしょうか?

大人になったら、もう手遅れということはありません。
とえ自己肯定感が低いまま大人になったとしても、そこに気づき、土台となる自己肯定感を高めるトレーニングすれば、誰もがいつからでも挽回することができます。

「自己肯定力」を上げるトレーニングは、効果を実感するまで地味で時間がかかりますが、それはアスリートが取り組む「体幹トレーニング」のように、継続することにより自己肯定感を高め自らの自信につなげていくことができるのです。そして、自己肯定感という「心の体幹」ができると、人生のあらゆる部分に良い影響を与えます。これは自分を幸せにするだけではなく、周りにも良い影響を与え、周りの人も幸せにしていくことができるのです。 (※当協会では「自己肯定感」をスキルとして高めていくとき「自己肯定力」とお伝えしています)

当協会では、自己肯定感が低いと感じていた人でも、「自己肯定力」を高める方法を知り、トレーニングを通して、誰もがいつからでも自分で高めることができるメソッドをお伝えしています
このメソッドはこれまで教育現場や企業研修をはじめ講座を受講くださった2万8千人の人たちが実践して効果を感じていただいています。
次の項目では、「知っておきたい自己肯定感が低い人がとりやすい保身的行動」をお伝えします。

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