自己肯定感は、大人になってからでも高めていくことができます。大切なのは、気合いや前向き思考だけで変えようとするのではなく、順序立てて自分との関わり方を整えていくことです。
このページの要点
- 自己肯定感は、誰でもいつからでも高めることができます(生まれつき固定されたものではありません)。
- JISEでは、自己肯定感を高める流れを5つのステップ(①認める→②受け入れる→③大切にする→④価値を感じる→⑤信頼する)で整理しています。
- 特にステップ1〜3は、土台となる「絶対的自己肯定感」を育てる最も重要な段階です。
JISEでは、代表理事・工藤紀子が1994年から続けてきた自己肯定感の研究と実践をもとに、「ラブマイセルフ・メソッド®」(特許庁登録済み)として自己肯定感を高める方法を体系化しています。のべ2万8千人以上が学び、2013年より企業研修・教育現場研修でも導入されています。

自己肯定感の5つのステップと絶対的自己肯定感・社会的自己肯定感の関係を示す概念図
自己肯定感を高めるには?
子どもの頃に自己肯定感を十分に育める環境になかったとしても、また、自己肯定感が低いまま大人になったとしても、そこに気づき、自分との関わり方を少しずつ変えていくことで、自己肯定感は高めていくことができます。
なぜなら、自己肯定感は生まれつき固定されたものではなく、日々の意識と実践によって育てていけるスキル(技術)だからです。大切なのは「気合い」や「ポジティブ思考」ではなく、順序立てて自分との関わり方を整えていくことです。
→ 自己肯定感とは?意味・定義をわかりやすく解説
「自己肯定感を高める5つのステップ」一覧
以下は、JISEが講座や研修の現場でお伝えしている、自己肯定感を高めるための実践的な5ステップです。段階を追って取り組むことで、自己肯定感の土台を無理なく育てていくことができます。各ステップに対応する講座は表内にまとめていますので、まずは全体像をご確認ください。
【自己肯定感を高める5つのステップ一覧表】
| ステップ | テーマ | 内容 | 学べる講座 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自分を認める | ありのままの自分を「いい、悪い」で判断せずにそのまま認める | ベーシック講座 |
| 2 | 自分を受け入れる | 自分の気質や個性、置かれた状況をまるごとOKする | ベーシック講座 |
| 3 | 自分を大切にする | 感情を理解し、自分の心身を心地よくすることに意識を向ける | メンタルマネジメント講座 |
| 4 | 自分に価値を感じる | 自分の努力や成果を認め、自己評価を高める | ベーシック講座 |
| 5 | 自分を信頼する | 外的状況に左右されず、自分を無条件に信じられるようになる | ベーシック講座 |
以下、各ステップの具体的な内容と実践のコツを詳しく解説します。
ステップ1:ありのままの自分を認める
「自己肯定感」は、自分を自分がどう思うかの感覚であり、自分のよいと思える部分だけでなく、自分のダメだと思えるところや好きでないところ、短所と思える部分も含めて、まだまだ満足できない自分であっても、そんな自分のあり方全てを含めた、丸ごとの自分を認めることです。様々な気質や要素を持っている自分を「いい、悪い」で判断せずにそのまま認めます。それは自分に妥協して開き直り、傲慢になることではありません。
ステップ1のコツ:ありのままの自分を認めるってどういうこと?
ベーシック講座を受講したDさん(30代女性・一人暮らし)は、自分の短所は「部屋をそうじできないこと」だと思っていました。そこで、部屋が汚く掃除ができない自分を認めてしまうと、「そうじをする自分」をあきらめてしまうことになるのではないかと強い抵抗感を持ちました。
しかし、「そうじをする」という次のステップに進むにも、いったん、「そうじができていない」という自分の現状を認めることが非常に重要です。
たとえ、今は望む状態でなくても、現状を見ないふりせずに、これが今の状況なのだと認めます。そこで、「そんな自分が嫌」と感じている自分がいることに気づいたら、「そう思ってしまうのも、無理もないよね」と共感してあげます。すると、安心してありのままの自分を認めてあげられます。
人間関係で、自己肯定感の土台となる、自分のありのままを認められると、相手のそのままを認められるようになります。
別の例として、人間関係でうまく話せなかったときも、「話せなかった自分はダメだ」と切り捨てるのではなく、「今日は緊張していたんだな」と現状を認めることが、最初の一歩になります。
ステップ2:ありのままの自分を受け入れる
ステップ1でありのままの自分の現状をそのまま認められたら、その自分をまるごとOKしてあげましょう。「自分を受け入れる」とき、「受け入れる」という感覚に抵抗を感じる人がいますが、自分が持っている気質や個性、自分が置かれている状況や、自分のあり方や境遇などをそのまま自分のものとして受け止めてみましょう。それは、自分のネガティブに思える部分も、そうなった状況や経緯など、自分を取り巻くすべてを理解しようとすることも含まれます。
ここで、ありのままの自分を「これが自分」と許容することで、自分が持つ自分らしさや個性を受け止められるようになります。このように、世界唯一無二の「自分の存在そのもの」を受け入れられると、自己肯定感の確固たる土台を持てるのです。それが「自分は自分」と思えるようになります。できないところがあっても、そこを責めたり、否定しないで、「それも自分なのだ」と引き受けてみましょう。
ステップ2のコツ:ありのままの自分を受け入れるってどういうこと?
ステップ1で自分の短所は「部屋を掃除できないこと」と思っていたDさんは、その現状を直視し、「自分はそうじができていない」ということを認めました。
次にこのステップ2で「ありのままの自分を受け入れる」にはどうしたらいいでしょう。
この場合、認めたくない現状を「受け入れる」ときに重要となるのが、その状況を作り出している理由を自分が理解してあげることです。そこで、自分が見ようとしていなかった「そうじができない状況」を作り出している理由に目を向けてみるのです。すると、自分で納得することができます。
Dさんの場合は、残業続きの毎日で、一人暮らしの部屋に帰ると、ベッドに倒れ込んで、気づくと朝、という日もあったといいます。
そうじができない自分はダメだと責めていたけれど、そうじができない状況になっているのは、あまりにも疲れていたからで、そうじをするよりも休みたいという気持ちが勝ってしまう日が多かったからだと気づきました。この理由を自分で理解してあげることが、今の状況を受け入れることなのです。たとえ、できないところがあっても、そこを責めたり、否定しないで、「それも自分なのだ」と引き受けてみましょう。
人間関係では、自分が受け入れられると、他者のことも許容しやすくなります。すると、自分を受け入れられていないと感じることで取っていた、他者に対する保身的な行動が少なくなり、目の前の相手と安心して関わることができるので、それが他者との関係にも良い影響を与えていくのです。
ステップ3:自分を大切にする
「自分を大切にする」とは、心身ともに自分を心地よくすることはもちろん、自分の健康に意識を向けること、自分自身を理解すること、自分の一番の味方になり、自分に愛情を注いであげることも含まれます。
そこに「感情を理解する」ことも含まれます。自己肯定感を高める上で「感情」を切り離して考えることはできません。自分の中に湧きあがる様々な感情がどんな理由で出てきているのかを理解してあげると、感情に飲み込まれ、振り回されることがなくなります。どんな感情もあなたにとって意味があって生まれると理解して、その感情を受け止めてあげることが重要なのです。
ステップ3のコツ:ありのままの自分を大切にするってどういうこと?
ステップ2で「部屋をそうじできないこと」を短所だと思っていたDさんは、「そうじができない状況」を作り出していた理由を見つけて、その自分を理解してあげました。
そこで、このステップ3では、あまりにも疲れていたから、「そうじをするより休みたかったのだ」という気持ちを受け止めて、そうじより休息を自分に与えてあげます。
部屋が乱雑なのは気になるけれど、寝たいだけ寝ることを許可したり、体の疲れを取るために、マッサージに行ったり、十分休ませてあげると、次第に心と体が元気になります。すると、Dさんもあんなにできなかったそうじが、誰に言われたわけでもないのに、なぜか自然に「部屋をきれいにしたい」と意欲が湧いてきたのです。
別の例として、仕事で疲れ切っているときに、無理に頑張り続けるのではなく、休息や睡眠を優先することも「自分を大切にする」実践のひとつです。自分の心身の状態に耳を傾けることが、自分を大切にする基本になります。
自己肯定感を高める上で、感情を切り離して考えることはできません。「感情を理解する」ことは、「自分を理解する」ことです。それが、自分を大切にすることになります。
ステップ1〜3が「絶対的自己肯定感」の土台になる
この1〜3のステップは、日常のさまざまな場面で繰り返し実践することで、「絶対的自己肯定感」の土台を育てていきます。少しずつ、自分が自分であることへの安心感が生まれ、心から自分を受容し、承認できるようになります。この土台があってこそ、ステップ4・5で外的な評価に左右されない自信や自己信頼が育ちます。
◆ステップ1〜3を実践的に学べる講座◆
→ メンタルマネジメント講座の詳細・お申し込みはこちら
ステップ4:自分に価値を感じる
自分の存在価値は、何ができるとか、何を持っているかに左右されないものですが、「自己肯定感」を高めるステップの1〜3を繰り返し実践していくと、自分をより承認できるようになり、それが自己評価を高めます。自分の努力や成果を認めることで自己価値を感じ、他者から褒められたり、認められたり、肯定的な評価を与えられたものを、自らの成功体験として積み上げていくことができます。これが自信につなげていけるのです。
「絶対的自己肯定感」が持てると、他者からの評価も肯定的に受け止め、健全に自己価値として積み上げていけます。また、何かチャレンジしたときに、たとえ思い通りの結果が得られなくても、その結果を受け止め、その経験を次にどう生かしていくかを考えていくプロセスが自己価値となり、社会的自己肯定感を高め成長につなげていけるようになります。
ステップ4のコツ:自分の価値を感じるってどういうこと?
ステップ3で「部屋をそうじできないこと」を短所だと思っていたDさんが、そうじができない理由を理解し、そうじをすることより、まず疲れた体を休めることで、心と体が元気になりました。そして、そうじへの意欲が生まれました。
そこで、ステップ4では、掃除をするより休みたいという気持ちを受け止めて、休むことができた自分や、体の疲れをとるためにマッサージに行けた自分を「良くできた」と認めてあげるのです。
また、「そうじへの意欲が湧いた」、「一カ所でもそうじができた」としたら、それも「良くやれた」と評価してあげます。
自分にしかわからない小さなことや、小さなステップであっても、そこを見逃さずに認めることで、自己評価につなげて、自己価値を感じられるようになるのです。
他者との関係においては、自分を評価し、自己価値を感じられていると、他者との優位性によって自己評価を決める必要がなくなるため、保身的行動を取らずに安心して相手を評価し、相手の価値を認めることができます。すると、安心して相手と関係が築けるのです。
ステップ5:自分を信頼する
「自分を信頼する」とは、自分を無条件に信じることができることです。ステップ1〜3で、「絶対的自己肯定感」の土台ができて、ステップ4の自分の価値を感じられるようになると、外的状況がどうであっても、そのままの自分を信頼できるようになります。
自己信頼が高まると、「自分なら対処できる」「やってみよう」と思える感覚が育ちます。JISEでは、この感覚が結果として「自己効力感」にもつながっていくと考えています。自己肯定感が「自分の存在を認める感覚」だとすれば、自己効力感は「自分にはそれができると信じる感覚」であり、両者は補完関係にあります。
ステップ5のコツ:自分を信頼するってどういうこと?
ステップ4で「部屋をそうじできないこと」を短所だと思っていたDさんは、自分に対して、できたことを「良くできた」「良くやれた」と自己評価して、自己価値につなげていけました。
ステップ5では、今後、そうじができない状況に陥っても「自分なりにその状況に対処できる、自分ならなんとかできる」と自分を信頼できるようになります。
対人関係においては、自分を信頼できると、同じように他者を信頼することができます。すると、他者からも信頼されていると感じられるようになり、他者との関係はさらによくなるのです。
JISEの自己肯定感メソッド
JISEでは、代表理事・工藤紀子が1994年より続けてきた自己肯定感の研究と実践をもとに、自己肯定感を高める方法を「ラブマイセルフ・メソッド®」(特許庁登録済み)として体系化しています。
このメソッドは、個人向け講座だけでなく、企業研修・教育現場研修でも活用されており、のべ2万8千人以上の方が学び、実践してきました。企業研修は2013年より開始し、のべ20,000人以上の受講実績があります(満足度96%以上)。
自己肯定感を基礎から学びたい方、組織や教育現場で導入を検討されている方は、以下の関連ページもご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自己肯定感は大人になってからでも高められますか?
A. はい、高められます。自己肯定感はスキル(技術)として、誰もがいつからでも自分で高めることができます。生まれつき固定されたものではなく、日々の意識と実践によって育てていけるものです。JISEのメソッドでは、これまでのべ2万8千人以上が学び、段階的に自己肯定感を育ててきました。
Q2. 自己肯定感を高める5つのステップとは?
A. JISEでは、①自分を認める ②自分を受け入れる ③自分を大切にする ④自分に価値を感じる ⑤自分を信頼する、の5つのステップで自己肯定感を段階的に高めていきます。特にステップ1〜3が「絶対的自己肯定感」の土台づくりとして最も重要です。この5ステップは、代表理事・工藤紀子が32年の研究と実践をもとに体系化した「ラブマイセルフ・メソッド®」の中核プロセスです。
Q3. 自己肯定感を高めると「自分勝手」になりませんか?
A. なりません。真の自己肯定感が高い状態とは、自分を認めるように他者も認め、自分を尊重するように他者も尊重できる状態です。自信過剰や傲慢さは、むしろ自己肯定感が低い人に見られる保身的な行動のひとつです。
Q4. ステップを順番通りにやらないと効果がないですか?
A. 基本的には①から順に取り組むことをおすすめしますが、日常生活の中ではどのステップから入っても構いません。大切なのは「今の自分はどのステップに取り組みやすいか」に気づくことです。講座では、ご自身の状態に合わせた取り組み方もお伝えしています。
Q5. どの講座から始めればよいですか?
A. まずは、自己肯定感の基本と自分の傾向を把握できる自己肯定力入門講座(無料・90〜120分)から始めるのがおすすめです。その後、ベーシック講座やメンタルマネジメント講座へ進むと、5つのステップを体系的に学べます。

