認知症の人の心を伝える介護塾として、研修プログラムの開発および実際の研修・講演活動から、認知症トレーナーの育成まで一貫して取り組んでいるきらめき介護塾様では、コロナ禍が始まって以来、オンラインで「きらめき魅力アップ交流会」を開催しておられます。
その交流会の第149回として、「きらめく介護は自己肯定感が決め手 〜自分のことも尊重し、イライラしない介護をめざそう〜」とのタイトルで90分の講演をさせていただきました。講師は、自らも同塾に所属している中田有博が担当いたしました。
講座内容は、通常提供している「自己肯定力入門講座」をベースとして、自己肯定感の正しい定義をお伝えした後、高齢者は「統合」をタスクとしていること、そしてそれは人生をまるごと認めることであり、介護者は、その課題をサポートする存在として自らをまるごと認めている必要があることを述べました。
また、介護者の自己肯定感が高いか低いかで、かかわりがどのように違ってくるかを対比しながら述べさせていただきました。
ワークに取り組んでいただいた感想として、「これから、自分をありのまま受け止めてみたい」「短所を別の側面から見ると長所になるという発想が新鮮だった」「まわりの、自己肯定感の低い人に対してどのようにサポートするかを学びたい」といった内容が寄せられました。
90分という限られた時間で、ワーク&シェアの時間が十分には取れない場面もありましたが、それでも介護現場の方々に「自己肯定感」の定義と重要性を理解していただきたいとの思いが叶ったことをたいへんうれしく感じています。
私自身、両親の介護を通じて、いろいろな介護職の方々とお会いしましたが、実際、クルマの運転を止められるほど心身が疲弊してしまった方もいらっしゃいました。いま思えば、その方は自己肯定感がとても低い状態にあったのではないかと思います。自己肯定感の高い低いは、良い悪いではありません。低い状態になることはあっても、その都度高め直し、ぜひ、目標への道を諦めることなく力強く歩んでもらいたいと思います。
(文責:中田有博 社会福祉士、自分史ライター)
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