三重県の自治体にて「子どもたちのウェルビーイング促進と自己肯定感」をテーマに研修を実施

三重県

このたび、三重県内の自治体において「子どもたちのウェルビーイング(幸福・心の充足感)を促進するために、自己肯定感の土台をどう育てるか」をテーマとした研修を実施いたしました。

対象は教育現場および行政に携わる皆さまで、保育士、教職員、教育委員会職員など幅広い立場の方々が参加されました。子どもたちの幸せな成長を支えるために、まず大人が“心の基盤”を理解し、育成環境をどう整えていくかを共に考える場となりました。

研修では、自己肯定感を「ありのままの自分を受け入れ、他者とのつながりの中で自分の存在に価値を見出せる力」と定義し、その発達過程や教育現場での育み方を、心理学や実践事例を交えて解説しました。特に、幼児期から中学校期までの発達段階に応じたアプローチや、感情の受容・承認の言葉がけの重要性、子どもとの信頼関係の築き方について、参加者が自身の現場に置き換えて考えられるような内容構成としました。

参加者の皆さまからは、たくさんの前向きな感想をいただきました。

「自己肯定感の土台として“自分は愛されている”という安心感が大切だと改めて学びました。子どもと話す時に、その子が『この人なら安心できる』と感じられる接し方を意識したいと思います。自分自身にも『よく頑張っているね』と声をかけてあげたいです」

「自己肯定感とウェルビーイングの関係を具体例とともに学べたことが大きな収穫でした。幼児期からの積み重ねが心の土台をつくることを再確認し、感情を受けとめ、肯定的な言葉がけを心がけたいと感じました。子どもも大人もお互いを承認し合う関係を築いていきたいです」

また、研修を通じて「理論として学んできたことが、現場での行動にどう結びつくのかが明確になった」との声も多くありました。
「自己肯定感については以前から学んでいましたが、講演を聞いて理解が深まりました。非認知能力として取り上げられることが多い中、自己肯定感に焦点を当てて具体的に考える機会は貴重でした」

さらに、「自分を認めることが相手を認めることにつながる」「自分の存在を肯定することが、他者との信頼関係の第一歩である」といった感想も多数寄せられ、子どもたちへの関わりと同時に、自分自身への理解を深める機会にもなったようです。

中には次のような印象的な言葉もありました。
「“あるがままの自分に価値がある”と感じられる子どもを育てたい。そのためには、まず大人が自分を受け入れることから始まるのだと感じました」
「人の根源的欲求を理解した上で子どもと関わることが、教師としてとても重要だと実感しました。まずは自分を知り、職場で共有し、学校全体でウェルビーイングがあふれる環境をつくっていきたい」

このように、参加者の皆さまは、研修を単なる知識の習得の場ではなく、「自分自身のあり方を見つめ直す機会」として捉えられていました。

自己肯定感というテーマは、教育現場だけでなく、職員同士の関係や家庭、地域社会にも共通して関係するテーマです。特に印象的だったのは、「子どもに関わる大人自身が自己肯定感を理解し、体現することの重要性を実感した」という感想が多く寄せられたことです。

研修後には、「講義を聞いて、自分の中にあった“こうでなければならない”という考えが少し緩み、心が軽くなった」「これまで自分が実践してきたことに確信を持てた」といったコメントもあり、自己肯定感を“支援する側”としてだけでなく、“自らが育む対象”としても捉え直す時間になったことがうかがえました。

今回の研修を通して、改めて感じたのは、自己肯定感はウェルビーイングの核であり、すべての学びや挑戦、そして人とのつながりの原点であるということです。安心感のある関係性の中で、子どもたちは「自分は大切な存在だ」と実感し、困難を乗り越える力や他者を思いやる心を育んでいきます。その第一歩は、身近な大人のあり方にあります。

今後も、こうした研修を通じて、教育・行政・地域が一体となって、子どもも大人もお互いを認め合いながら成長していける社会の実現を目指してまいります。
そして、子どもたちの未来を支える先生方や保育者、職員の皆さまが、自分自身の価値を感じながら、安心と希望を持って日々の現場に立てるよう、引き続きサポートを続けてまいります。

(文責:代表理事 工藤紀子)

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