教育現場研修・講演教育現場研修・講演 | 一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会

教育現場研修・講演

日本の子どもたちをとりまく環境は?

近年、様々な調査において、日本の子どもたちの自己肯定感(セルフエスティーム)が他国の子どもたちに比べて低いという調査結果が示されています。

平成29年6月1日の政府の教育実行会議では、子どもたちが自らの手で未来を切り拓くためにも「自己肯定感を高めること」の重要性を認め、学校や家庭、地域の教育力を向上することで、子どもたちの自己肯定感を育む取り組み進めていくことを打ち出しました。
(第十提言)。

教育現場では、かねてから「自己肯定感」を育むことを視野に指導もしてこられていると思いますが、日本の子どもたちは年齢が上がるにつれて「自分への満足」「将来への希望」「自分への自信」が持てない割合が増えています。

又、2007年にユネスコが調査したOECD加盟国の15歳を対象にした「先進国の子どもの幸せ」の調査の中で「日本の子どもは世界一孤独である」と指摘されています。

日本青少年研究所の2011年の高校生の4カ国調査(アメリカ、中国、韓国、日本)では、日本以外では平均87%近くの生徒が「自分は価値ある人間だと思う」と答えていることに対して、日本の高校生は36.1%という結果が出ています。

横浜市立大学名誉教授 中西信太郎氏は、「今の子どもたちをとりまく学校という社会の中で、自分を肯定して、安心していられる状態が小4ぐらいからどんどん失われていって、高校生になると、自信を持てない生徒が6割以上になる。

これは、勉強ができる、できないに関係なく起きていることで、国際的に見て日本の子ども(若者)の自己肯定感や自尊心は異常に低いことがはっきりしています。

つまり学校生活の中で自尊心が奪われて行く、自分を肯定できない生徒が増えているというのが、日本の大きな特徴だ」と2016年の講演の中で述べています。

物質的に豊かで、戦争のない平和な日本の中にあって、子どもたちや若者が抱える生きにくさや葛藤の根底に「自己肯定感が低さ」があることは否めません。

教員を取り巻く環境は?

「日本の教員は生徒の主体的な学びを引き出すことに対しての自信が低い」

という調査結果が、2013年の日本を含む34カ国・地域が参加し、学校の学習環境と教員の勤務環境に焦点を当てたOECD国際教員指導環境調査による教員の自己効力感についての調査で示されました。

日本の教員は調査項目のいずれの側面においても、「高い自己効力感」を持つ割合が参加国平均を大きく下回っているという結果です。

中でも、「生徒に勉強ができると自信をもたせる」について、教師の自己効力感が示す回答「そう思える」は参加国平均が85.8%に対し、日本は17.6%、

「生徒が学習の価値を見出せるよう手助けする」については参加国平均80.7%に対し日本は26.0%、

「勉強にあまり関心を示さない生徒に動機づけをする」については参加国平均70.0%に対し日本は21.9%、

「生徒の批判的思考を促す」については参加国平均80.3%に対し日本は15.6%となり、

特に、「生徒の主体的学習促進」について調査した項目で参加国平均を大きく下回っている結果がでました。

分析では、「このような結果が出た理由として、日本の教員が他国に比べ、指導において高い水準を目指しているために自己評価が低くなっている可能性、実際の達成度にかかわらず謙虚な自己評価を下している可能性もある」としていますが、

子どもたちの主体的な学びを引き出すことに対しての自信が低く、ICTの活用等の実施割合も低いのです。

これらの要因を作り出しているもののひとつに、教員の勤務時間の長さもあげられるかもしれません。勤務時間は参加国平均が1週間で38.3時間に対して、日本は53.9時間にのぼります。

オランダでは、先生は教室に常駐し、職員室はありません。それは、先生が教育に専従できる環境が整っていることを示しています。一方、日本の先生は、多数の事務業務や課外活動の指導があり、先生たちが子どもたちへの学びを引き出すことに対して自信がもてない要因の一つに、教育だけに専従できない現状もあげられるのではないでしょうか?

子どもたちの自己肯定感は、家庭の役割も大きく影響しますが、一日の大半をすごす学校における先生から受ける影響は計り知れません。

教員の自己効力感の低さは「自己肯定感」の低さを示している

「自己効力感」というのは、自分のやることはうまくいくという感覚であり、まだ形にしていないものに対して形にできるという自己への信頼が高い状態であり、自信です。

このOECDの調査で示されている先生の「自己効力感」は、学校の先生が「自分が生徒に対して、良好な効力を発揮できる」と感じられていないことを示しています。

ただし、いきなり「自己効力感」を上げようと思っても、それは難しいと言わざるを得ません。なぜなら、「自己効力感」は、「自己肯定感」が土台にないと持てない感覚だからです。

先生たちの「自己効力感の低さ」は、「自己肯定感」が持てていない、自己肯定感の低さを示しているといえるのです。

これまでの教員の方に向けた研修の中で感じたのは、教員の方の「自分に満足するレベル」の高さです。それはそのまま自分に対しての「評価の厳しさ」がうかがえました。自己達成レベルを高く設定しているので、その条件を満たない自分に対して、どんな自分であってもそのままの自分をなかなか〇(マル)と受け入れられない方が多くいらっしゃいました。

それが「できないところがあっても、欠点や短所があってもそれが自分だと受け入れること、そういう自分であっても自分の価値を下げることにはならない」という「自己肯定感」の基本的な感覚を持てず、自分への自信につなげていけない要因になっているのかもしれません。

それでは当然「自己効力感」は低い状態になります。

先生たちが「自己肯定感」を持てない現状は、それはダイレクトに子どもたちに影響します。

学校でできる教員の自己肯定感を高める取り組みは?

これまで教員の方に向けた「セルフエスティーム(自己肯定感、自己有用感)」の研修で、先生たちの感想の中にもありますが、「自己肯定感」の本質的な理解や先生自身の自己肯定感を高める方法、先生の自己肯定感が子どもたちの指導に影響を与えること、などを理解されていないケースに度々直面し、教員の方が「自己肯定感」について学び、ご自身の自己肯定感を高める場が不足しているのではと感じました。

OECDの国際教員指導環境調査(TALIS)の結果を受けて、校内研修等で、教員が日頃から共に学び合うことが指導改善や教員の意欲の向上につながっているという分析も出されていますが、教員の方が「自己効力感」をもって子どもたちと関われるようになるためにも、教員の方が「自己肯定感」について学ぶ機会を持つことが非常に重要なのではないでしょうか?

それが直接子どもたちの自己肯定感を高めることに繋がるとともに、教員の皆さんが意欲と自信を取り戻し、持てる力を発揮しながら、子どもたちの成長や将来の希望、学習意欲を高めることに貢献できる本来の喜びを感じていけるようになるのです。それはそのまま教員の方のメンタルヘルスの強化、メンタル不調の改善にもつながります。

研修プログラムのご紹介

当協会のプログラムはこれまで2万人の大人たちを対象にして効果を上げてきた「自己肯定感(セルフエスティーム)」を高めるプログラムをベースに、「自己肯定感」についての本質的なことをお伝えする中で、誰もがいつからでも「スキル(技術)」として高めていけるメソッドを使います。

教員の方向けのプログラムは、参加される教員の皆さまが子どもたち視点で、どう自己肯定感を高めていけるかということを考えながら、自分自身に照らし合わせながら理解を進め、ご自身の「自己肯定感」を高めていただきます。

子どもに効果的なスキルと、自分自身に効果的なスキルを体得していただきます。

尚、教育の場では、子どもたちが他者の存在を前提として自分の存在価値を高めていく「自己有用感」を、子どもたちに持たせることを重要視して、「自己有用感」を高めための指導を強化したいと思われている学校も多いかもしれません。

実は「自己有用感」は「自己肯定感」と密接にかかわっています。そのために、自己肯定感を向上するメカニズムを理解していないと、自己有用感だけを単独で高めることはできないのです。自己有用感は自己肯定感に支えられています。

自己肯定感が土台として持てると、自己有用感が育まれやすく、そこに家庭や学校の連携や地域社会からの良好な働きかけが加わると、子どもたちの生きる意欲となり、それが再び子どもたちの自己価値や自信となり、自己信頼が強化され、自己効力感へと高めていけるのです。

研修の時間は2時間から承らせていただいております。お問い合わせをいただきましてから、ご要望に応じてプログラムをご提案させていただきます。

<研修をお受けいただいた先生方のご感想の一部>

◆これまで自分の中で「自己肯定感」の意義や定義があいまいな部分が多くありましたが、本研修で、その本質というものが少しずつ理解できました。
◆教員としての具体的な指導法の研修も大切であると思いますが、このような原理的な部分の理解を深めるための研修も改めて重要であると感じました。
◆学級で起こる問題の原因に、自己肯定感の低さがあるということが自分の中で驚きでした。生徒との信頼関係を第一に考える必要があると思いました。
◆自己肯定感がすべての土台であり、自己肯定感の大切さをあらためて感じ、今後は生徒に対する声がけを意識したいと思った。自分の自己肯定感を高めること、生徒たちの自己肯定感を高めること、これからの教員生活で意識していきたいと感じました。
◆自分が思っていた以上に、自分の自己肯定感が低いことに驚きました。自分を知るって大切だと思いました。生徒の自己肯定感、自己有用感を向上させるためにも、まずは自分自身が向上できるよう取り組みたいと思いました。

子どもたち、保護者に伝える講演

子どもたちには「自分の未来を切り拓く自己肯定感」という演題で、保護者の方には「子どもの未来を切り拓く自己肯定感を育む家庭の役割とは」という演題で1時間の講演させていただいております。

講演をさせていただいた学校の校長先生からは、『講演を聞いた後、生徒たちがすごく変わりました。これまであまり自信が持てていなかった子どもたちが、明るくなって自信がついてきているのは、短所や欠点があってもそれが自分の価値を下げることにはならず、それが自分だと認めてあげることを、講演の中で教われたからだと思います』というご感想をいただいております。

10月4日、鎌倉芸術館 小ホール(300人収容)にて、神奈川県高P連湘南鎌倉地区大会にご参加の皆様に「未来を切り拓く自己肯定感を育む家庭の役割とは?」というテーマでの講演の様子

教育、公共関係

●(公財)新潟県女性財団「働く女性のための自己肯定力を高める基礎講座」
●神奈川県立伊志田高等学校 保護者向け講演
●松戸市社会福祉協議会「子育てサロン関係者のための自己肯定感講座」
●愛知県豊橋市社会福祉協議会
とよはしボランティアネットワーク創設20周年の記念事業で講演
●松戸市教育委員会
「感情マネジメント講座~ネガティブな感情をコントロールしよう~」(2018年12月)
●群馬県みどり市ぐんま県民カレッジ連携講座で講演「自己肯定感を高め、優しい社会をつくろう」(2018年11月実施予定)
●新潟県NPOさんじょう 子どもの自己肯定感を高める「親力セミナー」(2018年11月)
●佐賀県教育庁にて講演「健やかな子どもの育成に欠かせない自己肯定感」(2018年10月)
●(公財)こうち男女共同参画社会づくり財団「女性のためのエンパワメント研修(5時間)」(2018年10月)
●栃木県高等学校教職員組合 教育フォーラム 教員向け研修(2018年9月)
●平成31年度版 「中学生の道徳」中学1、2、3年で「自己肯定感」の教師用指導書執筆(2018年8月)
●平成31年度版 「中学生の道徳」中学1、2、3年で「自己肯定感」のコラム執筆(2018年3月)
●㈱学研教育みらい 道徳ジャーナル 臨時増刊号(2018年2月)
21世紀心の時代に「自己肯定感は、自信を取り戻すための起動力です」3ページ執筆
●群馬県伊勢崎市立境南中学校 講演 (2017年12月)
「自分の未来を切り拓く自己肯定感」
●神奈川県立高等学校PTA連合会湘南鎌倉地区大会(2017年10月)
「未来を切り拓く自己肯定感を高める家庭の役割とは?」
●東海村立東海南中学校 教職員研修 (2017年8月)
「自己肯定感を土台にした生徒の自己有用感向上研修」
●群馬県伊勢崎市立境西中学校 講演 (2017年7月)
「自分の未来を切り拓く自己肯定感」
●Gakken 教育ジャーナル(教職員雑誌)(2017年5月号)
「ひと模様」工藤紀子が6ページ掲載
「自分を認める」というシンプルなことから見える世界が変わり、幸せも集まる
●横浜市立中学校様 自己肯定感についての全校生徒向け講演(2016年12月)
「自分の未来を切り拓くく自己肯定感」
●鳥取県立境港総合高校様 特別支援教職員研修会(2016年10月)
「自己理解と他社理解の土台となるセルフエスティーム」
●横浜市の教職員対象:宿泊研修(2014年12月)
(他多数)

企業

●ジュピターテレコム株式会社(J:COM)
「キャリア自律支援のためのセルフエスティーム研修」
●ほめ写プロジェクト「これからの子育ては自己肯定感が鍵!」で講演
●国分寺青年会議所 「子どもの自己肯定感育み方親子講座」
●ブリジストンチャレンジド㈱  指導者のためのコミュニケーション研修
●NTT労働組合様 企業本部役員研修 (2017年9月)
「自分マネジメント研修」
●日鉄日立システムエンジニアリング様(2017年5月)
メンタルヘルス強化のための「セルフエスティーム向上研修」
●NTT労働組合様(2017年1月)
「セルフエスティーム(自己肯定感)を高め笑顔溢れる幸せ職場に」
●日本赤十字社 関東甲信越ブロック血液センター様(2016年11月)
中間管理職のための「セルフエスティーム向上研修」
●宿屋大学(2016年10月)
「サービス業のための自己肯定感アップ講座」 部下の幸福度を高めるセルフエスティーム
●住友化学 労働組合様 (2016年9月)
リーダーが職場で生かす組合委員一人 ひとりの幸せのためのセルフエスティ―ム向上研修
●新宿区会計事務所 「理念共有研修」(2015年6月~11月)
自己肯定力で社員一人ひとりの幸福度を高める(全6回)
セルフエスティ―ム向上研修
(他多数)

メディア・出版

●企業と人事(産労総合研究所)巻頭ページ連載(2020年1月~12月)

●日本経済新聞社 デジタル版にインタビュー記事掲載(2019年11月)
「自己肯定感でキャリア充実、評価の物差しは自分で作る」

●「職場の人間関係は自己肯定感が9割」フォレスト出版より出版(2019年11月)

●平成31年度版 「中学生の道徳(学研)」中学1、2、3年の教科書で「自己肯定感」についての教科書及び教師用指導書執筆

●東京MXTV5時に夢中「追跡8」(2018年4月9日放映)
番組では、2018年3月に「国立青少年教育振興機構」が発表した日米中韓の高校生を比較した新しい調査データで日本の高校生の自己肯定感が低いことに着目。「自分は価値があると思うか?」と街頭インタビューの結果を受けて、日本人の自己肯定感について解説。

●㈱学研教育みらい 道徳ジャーナル 臨時増刊号(2018年2月)
21世紀心の時代に「自己肯定感は、自信を取り戻すための起動力です」

●子どもの自己肯定感を高めるために「写真でほめる」という子育て新習慣の啓蒙活動「ほめ写プロジェクト」にメインサポーターである富士フィルム、国立青少年教育振興機構などと共に共同参画。(2018年8月)

●Gakken 教育ジャーナル(教職員雑誌)特集「ひと模様」で「自分を認める」というシンプルなことから見える世界が変わり、幸せも集まる(2017年5月)

●ユニリーバが世界展開している「ダブ セルフエスティーム プロジェクト」の日本でのプレス発表会でパネリストとして出席(2014年12月)
(他多数)

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