2025年3月に、大手システム会社様の若手社員の皆様を対象に、6時間の「セルフエスティーム研修」を実施いたしました。
近年、企業が人材育成において重視するテーマの一つに「内面的な強さの育成」があります。特に、変化の激しいIT業界では、技術力や論理的思考だけでなく、「自分を信じる力」や「感情を適切に扱う力」といった心理的な側面が、長期的な成長や組織への定着に大きな影響を及ぼすことが明らかになっています。
今回の研修は、まさにそうした企業ニーズに応える形で企画されました。対象となったのは、入社から3〜5年目までの社員の方々。若手ながらも現場の中核を担い始め、チームの中での役割や成果への期待が高まる中、自分自身に対する不安や比較、評価に対して敏感になってしまい、内面の葛藤を抱えている方も少なくありません。
このような背景から、「自分の価値を正しく認識し、自己肯定感を向上させる」ために、初めての試みとして当協会のセルフエスティーム研修を導入いただく運びとなりました。
本研修は、自己肯定感(セルフエスティーム)を土台に、自己理解を深めることでチャレンジ意欲や成長意欲の向上を促し、結果として仕事のパフォーマンスを最大化することを目的としています。プログラムは講義形式にとどまらず、自己内省やグループワーク、他者からのフィードバックを含む実践的な内容で構成されており、講師は当協会代表の工藤紀子が担当いたしました。
◆研修内容と受講者の反応
今回の研修では、「自己肯定感とは何か?」という基礎的な理解からスタートし、自己認知や自己受容を通して、安定して高い自己肯定感を保つための考え方やスキルを具体的にお伝えしました。また、ネガティブな思考に囚われたときの対処法や、日々の小さな成功体験を積み重ねることの大切さについても、多くの実例とともに共有いたしました。
「セルフエスティーム」という言葉自体に馴染みのなかった方も多い中で、自分の心の動きや行動パターンと向き合うことで、実際の業務や日常生活にどのように活かせるかを、具体的にイメージしていただけたようです。
他部署の方々とグループを組み、互いの価値観や人生観に触れながら意見交換も行いました。普段の業務では関わりの少ない社員同士が、互いの「強み」や「可能性」に目を向け合う機会が生まれたことが仕事への意欲を高めるきっかけにもなったようです。
◆研修を終えて
研修終了後、多くの参加者の皆さまから意欲的なフィードバックをいただきました。以下はその一部です。
💬 「これまで自己肯定感という言葉にはあまり馴染みがなかったが、今日の学びで自分の思考のクセに気づけた」
💬 「日々の小さな成功に目を向ける習慣をつけたいと思った。継続が大事だと感じた」
💬 「普段は接点の少ない他部署の人と対話できて、新たな気づきが得られた」
💬 「チームで成果を上げるには、まずは自分自身を認めることがスタートだと気づいた」
💬 「自己肯定感が安定すると、周囲への見え方も変わり、人間関係のストレスが減ると実感できた」
💬 「仕事だけでなく、プライベートの人間関係にも役立ちそうだと感じた」といった意欲的なお声をいただきました。
今回の研修を通じて、多くの参加者の皆さまが「自己肯定感の重要性を改めて認識し、今後の働き方や人生に活かしていきたい」と感じられたご様子でした。
このように、セルフエスティームを高めることは、個人のパフォーマンス向上にとどまらず、職場全体の心理的安全性を高め、組織としての生産性や一体感を醸成する大きな力になります。
本研修が、社員の皆さまにとって自己理解を深めるきっかけとなり、「より自分らしく」「より前向きに」働いていくための土台作りにつながったことを、大変嬉しく思っております。
今後も、より良い組織づくりや人材育成に向けて、当協会として引き続きお手伝いしてまいります。
(文責:代表理事 工藤紀子)