あなたは子どもを十分甘えさせてあげていますか?
子どもは十分甘えさせてもらうと、自立が早くなります。
子どもを「甘やかす」ことはよくないと言われますが、「甘えさせる」とどう違うのでしょうか?
私たち日本人は「甘え」ということばにとても敏感です。それは「甘え」に対してとても厳しい目を持っているからかもしれません。
ですが、本来、「甘やかす」と「甘えさせる」は全く違う意味を持ちます。
この違いは「子どもの自己肯定感をあげる親力アップ講座」の中でお伝えしていますが、この違いを理解して子育てができると、子どもと安心して向き合えるようになります。
それでは「甘やかし」とはどういうことでしょう?
それは周りの大人の都合で子どもに何かを促したり、親の都合で子どもに言うことをきかせようとすることです。
この「甘やかし」の例として、子どもができることをさせないで、先回りして親がやってしまったり、必要以上に干渉したり、危ないから、心配だからと子どもがやろうとしていることをやらせないのも過保護という甘やかしです。
例えば普段、まだ着替えが一人でスムーズにできない子に向かって、自分で一人でできるまで頑張りなさいと、言っていた母親が、どこかに出かけるとき、時間がないからと、子どもが一人で着替えをしようとするのを横取りしてやってしまうのは、親の都合による「甘やかし」になります。
こういう場合は、ちゃんと子どもに説明することが大切です。すると子どもは状況を理解でき、一方的な「甘やかし」にはなりません。
それに対して「甘えさせる」はあくまでも、子どもが主体で、子どものペースが守られている状態です。
「甘える」ということは、本来とても良いことなのです。それは、子どもがどうしてもできないことを手伝ってあげたり、子どもの思いを受け止めてそれに応えてあげることで、子どもは愛情を受け取れるからです。相手を信頼しているからこそ、相手に甘えられます。
一方で、子どもの甘えを親が受け止めてあげられないと、子どもは親からの拒絶感を感じ、親から自分は信頼されていないという思いを持つとともに、自分は甘えさせてもらうだけの価値がないと感じてしまいます。
十分甘えさせてもらえた子どもは、人を信頼するようになり、情緒も安定します。子どもが成長する過程で、必須なのがこの「甘え」なのです。身近な大人との関係の中で、しっかり甘えさせてもらえた子どもは「自己肯定感」がすくすくと育っていきます。
「自己肯定感」が高まると、失敗しても必要以上に自分を責めることなく、また頑張ろうという意欲に転化できたり、人に助けを求めたり、自分の弱い部分を見せることも恐れません。こうした子どもは、人を信じる力も強く、相手に対する思いやりも深くなります。
子どもを甘えさせてあげられる存在は、親だけではなく、祖父母の役割も大きいといえるでしょう。
子どもは甘えが満たされることにより「自分は愛されている」と感じられ、その揺らぐことがない「安心感」が土台となり、成長でき、自立に向かうことができるのです。
それに対して、子どものとき、甘えが満たされていないと、愛されているという実感が持てずに不安になりやすく「自己肯定感」は低くなります。
自分に対しての強い不安が、周囲に対しての不信感につながり、相手の言動に反応しやすく、感情的になったり、攻撃的になって人間関係でも摩擦をおこしやすくなります。ついつい我慢をしやすく、人に助けを求められず、一人でなんとかしようとしてしまう傾向もみられます。そんな人は、子どもや周囲の人の「甘え」を受け止めることも苦手かもしれません。そこには、その人の心の叫びが隠されています。
ただし、このように子ども時代、甘えが許されない環境で育った人は沢山いると思います。
あなたはいかがですか?
もし、たとえ子どものころ十分甘えさせてもらえないまま大人になったとしても、大人になったあなたが、まず自分に甘えることを許してあげることから始めてみてはいかがでしょうか?
自分に「甘え」を許してあげると、深いところで自分を満たすことができ、人にも甘えることができます。そして何より子どもに対してはもちろん、相手の甘えを受け止めることができるのです。子どもにかぎらず、私たち大人にとっても「甘え」は生きていく上でとても大切なものです。
(文責:代表理事 工藤紀子)
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