以前、教頭先生のときに私の講習を受けられて、現在、校長になられている方がいらっしゃいます。
その先生は自分が校長になったら、子どもたちの自己肯定感を高めることを教育の柱にやっていきたいと思われていたそうです。
そして、コロナ禍で校長として赴任した先では心も体も不調をきたしている子どもたちが多く、自殺願望を持っている子や自己否定する子、気持ちが不安定な子なども目立っていて、まずその子たちのサポートが急務だと感じたそうです。
実際に東大のチームがまとめたデータによると2020年3月から今年6月にかけ新型コロナウィルス感染症が流行した影響により国内で増加した自殺者は8千人に上ると試算しました。その中で小中高生は20年に過去最多の499人に達し高止まりが続いています。
現場の先生からお聞きした子どもの心の問題は深刻でとても切なくなりました。
しかし、子どもだけではなく大人の心も危ないのです。
厚生労働省によるとうつなどの気分障害と診断された人は127万人。
仕事が原因でうつ病などの心の病で労災認定された人も年々最多を更新しています。
総務省によると心の不調で休職している自治体職員は2.1万人。 その休職の理由が「職場の人間関係」が60%を超えました。
様々な理由があるとは思いますが教育現場や家庭で、そして職場においても人が関わるところではどの分野でも、人の悩みの根底には自己肯定感が大きく関わっています。
同じ状況に置かれてもそれをストレスと感じる人とそうでない人がいるのは、その人の受け止め方や捉え方が影響しています。
では心を強くすることはできるのでしょうか。
心はそう簡単に強くすることはできませんが自己肯定感にアプローチすることで、心を柔軟にしなやかに折れにくくすることができます。
これまで17年間、自己肯定感からのアプローチで人生を好転する方法を教育現場や企業現場などで2万人以上の方にお伝えしてきましたが、企業でも自己肯定感の研修が注目されているのは、社員のメンタルサポートにそれが効果があるからなのです。
しかし、まだまだその重要性が社会の中に浸透していません。
あなたの周りではいかがでしょうか。
SOSを出している人はいませんか。
まず、あなたの一番身近な人に手を差し伸べらえる人を増やしたい。心からそう思います。ただわたし一人ではとても力が足りません。
だからこそ皆さまのお力をお借りしたいのです。
(文責:代表理事 工藤紀子)