自己肯定感を高いことが必要とされるのは、何か困難な状況や失敗、批判や拒絶など、自分にとって受け入れがたい状況に直面したときです。
組織行動学のクリス・アージリス博士によると「人は脅威を感じたり、当惑したり、自己価値が脅かされそうになると、無意識の中に深く根差した行動の“マスタープログラム”に戻ってしまう」といいます。
そのときにとってしまう行動が、自分の地位や面目を保ち、自分を正当化するための自己保身となるのです。そこで、求められるのは動揺せず、落ち込まないことではありません。
たとえ、動揺しても落ち込んだとしても、自分を迅速に立て直して、前向きに対処することができるかが非常に重要です。ここに自己肯定感が大きく関係してきます。
自己肯定感が低いと、自己保身の頻度が高くなり、それが対人関係や、自己成長を阻害する要因となります。
自己保身の頻度を減らしていけると、そのまま自己肯定感を高めていくことにつながります。
そこで、必要になってくるのが、自分が取りやすい保身的な行動、どういうときに自己防衛したくなるかを理解し、認識できるようになることです。
そこに気付く頻度を増やせると、自分が特定の状況や自己保身のパターンが分かってきます。
自己保身の態度や行動は、無意識で反射的に取られるため、自分がそういう態度をとってしまうことすら気づかないことが多くあります。
自己防衛のスイッチが入ったサインして、分かりやすいのが、誰かに対して、嫌な気持ちや感情的になったときです。
その状況で「どんな部分に自分は脅威を感じたのか」の自己認識が必要になります。
自己肯定感が低いと、社会で生きていく中で、自己価値が脅かされると感じてしまう地雷が多くあるために、対人関係を良好に築きにくく、他者に対しても身構えてしまったり、自分を過度に守る必要性を感じてしまい、寛容さも失われるので、生きにくさを抱えやすくなります。
「職場の人間関係は自己肯定感が9割」の本の中でもご紹介していますが、人が陥りやすい自己保身のパターンから、いくつかを抜粋して、次回は「自分にも、他人にも完璧を求めてしまう完璧主義」が、自己否定に結びつきやすい理由と、そこをどう改善していくかを書いていきますが、時代が大きく変化している中、自己肯定感を正しく認識し、自分のものにすることが公私ともに求められていくことになります。
(文責:代表理事 工藤紀子)
引用:
「職場の人間関係は自己肯定感が9割」 工藤紀子 フォレスト出版
「組織の罠」クリス・アージリス 河野昭三監訳 文眞堂
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