ありたい自分になる「社会脳」の効果的な使い方とは?

社会脳
工藤紀子
この記事の監修者
工藤紀子|代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。自己肯定感の研究と実践に27年以上取り組み、のべ2万人以上に研修を実施。著書に『自己効力感の教科書』『職場の人間関係は自己肯定感が9割』等。詳しいプロフィール →

人との比較をしたとき決して心地よい感情にならなかった経験は、きっと誰もが持っているのではないでしょうか。

例えば、夏のボーナスが昨年よりアップしたと嬉しく思っていたら、他部署は自分より多かったと知った瞬間喜びが半減し妬みの気持ちが生まれてしまう。
一方、同僚が自分よりボーナスの額が低かったと分かると罪悪感とも言える申し訳ないような気持ちが生まれ「自分の方が評価された」「自分の方が有能」だと優越感に近いものを感じる事があるかもしれません。

他者との比較によって人は感情が揺り動かされます。このように自分と他者、社会を結ぶ脳の働きを「社会脳」と言います。
この社会脳によって私たちは他者の表情や心の動きを想像し、本能的な感情をコントロールしながら相手と協調し環境に適応して社会生活を営んでいます。

社会脳は会社や学校、人と関わる社会生活の場で様々な認知を引き起こしていますが、そこでは必ず “他者” がいるため無意識に他者との比較からネガティブな感情になることが少なくありません。

冒頭のような「妬み」が生じた場合、自分にとって心地よいものではないですが、実は自分を知る上でとても重要です。
なぜなら、そこから自分の心の奥に潜む「自分が何を望んでいるか」が表面化し、「昇進したい」「有能であると思われたい」「認められたい」「愛されたい」などの思いが分かるからです。

社会脳で認知されたものは自分の思いを知る手がかりになります。

このような思いを自覚した後の対処法は3通りに分かれます。

ありたい自分になる「社会脳」

1つは、比較対象の他者に対して自分より優位に感じる部分を貶し非難して自分の心を落ち着けようとするもの。
これは自分の成長には繋げていけません。妬みの感情はエネルギーを消耗します。

2つ目は、「自分もそうなりたいのだ」ということを自覚して自分に磨きをかけ相手よりも優位に立とうとするもの。
ライバルがいたらライバルに負けまいと頑張ること。スポーツや競技でお互い好敵手となり切磋琢磨するのはここに当てはまります。

3つ目は、社会脳によって認知された自分の欲求を理解して比較対象を持たず「自分は自分」と受け止め、ありたい自分に向かって努力すること。
奢らず人と比べず、等身大の自分を認め、比べるのは過去の自分。昨日の自分を超えていく、そんなイメージです。

あなたはどのような対処法を選ぶことが多いでしょうか。

どの方法を選ぶかはその時々の状況によると思いますが、社会脳は自分を知り自分が何を望んでいるかを教えてくれます。
他人と比較するのが悪いのではなく、そこで自分が何を望んでいるのかを知り社会脳からもたらされた認知をどう生かしていくかで、ありたい自分に自分のペースで近づいていくことが可能になります。

(文責:代表理事 工藤紀子)

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工藤紀子 代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。27年以上にわたり自己肯定感(セルフエスティーム)の研究と実践に取り組み、日本人の特性に最適化した独自メソッドを開発。

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