大人ばかりではなく、学校や友人関係で悩み、自分に自信が持てず生きにくさを抱えている子どもが増えています。
子どもが学校などで嫌なことがあると、家で一番最初に聞いて欲しい人は、お母さんですが、たいていのお母さんは、子どもの話を子どもが聴いてほしいように、聴いてあげられていないのかもしれません。
あなたはいかがですか?
子どもが悩んでいるときや、ただ話を聞いて欲しいとき、親は子どもの話をちゃんと聞かずに、親の判断で意見を言ってしまうことはないでしょうか?
親が子どもの話を聞いて「そんなふうになるのは、あなたがしっかりしないからよ」とか「もっとあなたが○○しなければだめなのよ」と、子どもをジャッジしてしまうと、子どもは一番味方になって欲しいお母さんに味方になってもらえず心を痛めます。そのようなとき、自分を受け止めてもらえない不安から、心は不安定になりやすくなります。
以前、ご相談をお受けした小学校4年生の子どもをもつ親御さんは、娘が友人関係に悩んでいるのを知って「あなたにも原因があるのよ。それだから仲間はずれにされるのよ」と娘のことを裁判官のように裁いてしまったそうです。その後、娘さんは学校に行けなくなってしまいました。とても悩まれた親御さんは、これまで子どもの自己肯定感を台無しにする言葉がけをしていたことに愕然として、それ以来今までの自分の子どもとの接し方を見直し、子どもの味方でいることを徹底して身につけていかれました。
すると、驚くほど娘さんとの関係はよくなり、娘さんは自信を取り戻していかれました。
親はついつい子どもが話し終わる前に、口をはさんでしまったり、すぐに意見を言ってしまいがちですが、そうなると子どもに安心感は与えられず、親子の信頼関係を築くことは難しくなります。
すると、子どもはつらいことがあっても、聞いて欲しいことがあっても、だんだん親に話をしなくなり、親に心を開かなくなります。これでは、もし子どもに何かあっても、親は気づいてあげることができません。親が一番必要なときに子どものそばにいてあげることができません。
子どもは、お母さんに、ただ聞いてもらうだけで、「わたし(ぼく)のことを分かってくれている」と感じて、それだけで安心して、心は安定します。
子どもの自己肯定感を育てるには、お母さんが「きき上手」になることがとても大切です。
親が、感情的になってしまうとき、ついつい自分の言葉を正しいと正当化しようとするとき、それは親に問題がある場合が多いのです。親自身が自分を認めてられていないとき、子どものことをそのまま受け止めることは難しくなります。
「聴く」ときは、子どもが話している間、どんなアドバイスをしようかと思って聞くのではなく、自分の意見をはさまず、ただただ子どもの話しに心を傾けて、寄り添って聴いてあげて欲しいのです。
あいづちも「それで?」「そうなのね」「そう!」「うん、うん、そうなんだね」と肯定的な言葉で、受け止めてあげましょう。
「そう、そうだったのね!そんなふうに友達に言われて頭にきているのね。お母さんだって腹が立つわ」とこんなふうに。
子どもの話を聴き終わったら、子どもの気持ちを汲みとってフィードバックしてあげられると、子どもは、共感してもらえている、自分を理解してくれている、自分のことを信じてくれている、自分の味方になってくれると感じて、そんな親の存在に“私(ぼく)は大丈夫なんだ”と大きな安心感をもらい、勇気づけられていくのです。
そうすると、子どもの自己肯定感は高まっていきます。
自分をそのまま受け止めてくれる親(お母さん)の存在は、子どもが自己肯定感を高めていく上でなくてはならないものです。
そして、子どもの心を安定させて、意欲的な気持ちを高めていくには、親である私たちが、どんなときも自分の味方になり、自分のことを信じて、自己肯定感が高い状態を保てているかも非常に重要となってくるのです。
(文責:代表理事 工藤紀子)
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