
「相手を思い通りにしたい」心の奥底にある不安~なぜ相手を思い通りにしたいのか?~
今日のテーマは、人間関係において
私たちが陥りがちな「相手を思い通りにしたい」という
衝動の奥底に潜む不安と、その「コントロールを手放す方法」について、
自己肯定感との関連性にも焦点を当てながら、
お伝えします。
皆さんは、大切な人に対して、
「こうしてくれたらいいのに」
「なぜ私の気持ちを分かってくれないんだろう」
「私の言う通りにしてくれれば、全てうまくいくのに」
と感じたことはありませんか?
夫婦、親子関係など、
親しい関係であればあるほど、
私たちは相手の言動に期待し、
時にそれをコントロールしようとしてしまうことがあります。
しかし、なぜ私たちは、
そんな風に相手を思い通りにしたいと思ってしまうのでしょうか?
相手を自分の意のままに動かしたいという衝動は、
一見すると相手への愛情や
関心に見えるかもしれません。
しかし、その実態は、
自分自身の不安定な心を覆い隠し、
安心感を得ようとする、
防衛的な反応であることが多いのです。
「相手が自分の思い通りにならないと、
自分が嫌な思いをするのではないか」
「相手の行動が自分の期待と違うと、
自分の価値が下がってしまうのではないか」といった、
根源的な恐れが、
私たちをコントロールという名の行動に駆り立てるのです。
これは、自己肯定感の低さと深く結びついています。
自分の価値を他者の行動に依存させてしまうことで、
相手をコントロールしようとする欲求が生まれるのです。
自己肯定感が低いほど、
自分自身で安心感を得ることが難しく、
他者をコントロールすることでその不足を補おうとしがちです。
自己肯定感が高い人は、
相手へのコントロールを手放すことは難しくありません。
親はついつい子どもをコントロールしようと思いがちです。
自己肯定感が高い親は
子どもと自分とは違う独立した存在であり、
子どもも独自の考え方、価値観、
そしてペースを持っていることを心から尊重しています。
子どもを良かれと思って
自分の思い通りにコントロールしようとするのではなく、
その個性を認め、違いを受け入れることができるのです。
このように自己肯定感が高いと
自分の価値を揺るぎないものとして認識しているため、
他者の行動によって
自分の価値が左右されるという不安を感じにくいのです。
具体例として、
パートナーの行動に不満を感じ、
ついコントロールしようとしてしまうBさんのケースです。
Bさんは、パートナーのちょっとした言動にも過敏に反応してしまいます。
「彼はこうあるべきだ」
「なぜ私の気持ちを察して、すぐに動いてくれないんだ」と
イライラを募らせてしまいます。
そして、その不満をぶつけたり、
遠回しに相手を操作しようとしたりすることで、
二人の関係はギクシャクしてしまいます。
Cさんの心の中には、
「彼が私の理想通りに動いてくれないと、私は満たされない」
「私の価値は、彼が私の期待に応えてくれるかどうかで決まる」
といった不安が渦巻いていました。
これは、自己肯定感の低さが、
相手への過度な期待とコントロール欲求を
生み出している典型的な例です。
しかし、自己肯定感が高まると、Cさんの捉え方は大きく変わります。
「彼は彼なりの考えやペースがあるんだな」
「もちろん、私の気持ちを伝えることは大切だけれど、彼の行動を完全にコントロールすることはできない」と、
相手の主体性を尊重できるようになったのです。
そして、
「私は私の気持ちを彼に丁寧に伝えよう」
「もし、彼の考えが私と違うとしても、それは当然のことだ」と、
冷静にコミュニケーションを取ろうと意識しました。
その結果、二人の間には、
以前のような不必要な衝突がなくなり、
お互いを尊重し合える、
より穏やかな関係が築かれるようになったのです。
自己肯定感が高まることで、
他者への信頼感が増し、
相手を自分の思い通りに
コントロールしようとする必要がなくなるのです。
コントロールを手放すことは、
一見すると無力に感じるかもしれません。
「相手に何も期待しない」
あいての思うままを受け止める!
コントロールを手放すことによって、
私たちは相手をありのままに見つめ、
その個性や魅力を心から認めることができるようになります。
そして、相手もまた、
コントロールされるという圧迫感から解放され、
より自然体で、心を開いて私たちと向き合ってくれるようになるのです。
コントロールを手放すことは、
相互の尊重を生み出し、
より健全な人間関係を育む上で不可欠であり、
それは自己肯定感の向上にも繋がります。
本来、他人の心や行動をコントロールすることは
誰にもできません。
私たちが本当にコントロールできるのは
自分自身の考え方、感情、行動だけです。
相手の言動に不満を感じる時、
まず立ち止まって考えてみましょう。
「私はこの状況をどう捉えているのか」
「私はどんな感情を感じているのか」
「私はこれからどんな行動を取ることができるのか」。
自分自身に焦点を当て、
自分の内面と向き合い、
そして自分の行動を選択していくこと。
それこそが、私たちに真の力をもたらし、
他者との関係においても、より主体的に、
そして穏やかにいるための鍵となります。
今回のメルマガが、前向きに日々を過ごすための一助となれば幸いです。
日本セルフエスティーム普及協会では、
自己肯定感を高めるための様々なプログラムを提供しています。
ぜひ、当協会のウェブサイトもご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も素敵な一日をお過ごしください。
次回のメルマガも、どうぞお楽しみに。
日本セルフエスティーム普及協会
代表理事 工藤紀子
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