子どもを上手に褒められなくても自己肯定感は育てられる!

育児書やネット記事を開けば、必ずと言っていいほど書かれている言葉があります。

「子どもは褒めて伸ばしましょう」
「自己肯定感を高めるために、たくさん褒めてあげましょう」

これを見て、少し胸が苦しくなったことはありませんか?

「実は、褒めるのが苦手…」
「『すごいね!』と言っても、なんだか嘘っぽく聞こえてしまう」
「自分自身が褒められて育っていないから、どう褒めればいいか分からない」

このように感じている親御さんは少なくありません。

もしそう感じることがあっても、どうかご自分を責めないでください。

実は、自己肯定感を育てるために、無理をして「褒める」必要はないのです。

今日は、「褒める」ことが苦手な親御さんにこそ知ってほしい内容です。

なぜ、褒めるのが苦しくなるのでしょうか。

それは、私たちが一般的にイメージする「褒める」という行為が、
「上の立場から下の立場への評価」になりがちだからです。

「100点とってえらいね!」(成果への評価)

「部屋を片付けていい子だね!」(行動への評価)

これらは確かに嬉しい言葉ですが、
常にこの褒め方ばかりだと、
子どもは「成果を出さないと、良い子にしていないと、愛されない」という
プレッシャーを感じてしまうことがあります。

それは「100点」や「部屋を片付けた」といった
条件を満たしていることを評価しているからです。

私たちが生きる土台となる
絶対的自己肯定感を育てるのに必要なのは、
「評価」ではなく、「承認(認める)」です。

「褒めるのが苦手」という方は、
無理にテンションを上げて
「すごい!」「天才!」と言う必要はありません。

その代わりに、
「目に見えた事実をそのまま言葉にする(実況中継)」だけでいいのです。

それは、そのままの事実を承認することです。

これがなぜ自己肯定感によい影響を与えるかというと、
子どもに「親はちゃんと自分を見てくくれている」
「自分の存在に関心を持ってくれている」という安心感が伝わるからです。

具体的な例で見ていくと

◆「子どもが絵を描いた」とき

無理して褒めようとすると。。。

「上手だね!天才だね!」
これは心から思っていないと子どもにバレます。

ここで事実を認める言葉をかけると

「今回は青色をたくさん使ったんだね」
「最後まで集中して描いていたね」

◆「逆上がりができた」とき

無理して褒めようとすると

「すごい!運動神経いい!」

ここで、事実を認める言葉をかけると

「毎日練習してたもんね」
「足がグッと上がっていたね」

どうでしょう?

これなら、「すごい」と思っていなくても、
ただ事実を口にするだけなので、嘘がなく、
親のストレスもありません。

そして子どもにとっては、
「自分がやったプロセスを見てくれていた」という事実こそが、
何よりの喜びになるのです。

無理に褒めようとしなくていいのです。
「実況中継」を心がけてみましょう!

もう一つ、「褒める」のが苦手な方におすすめなのが、
「感謝」と「感想」を伝えることです(アイ・メッセージ)。

子どもが良いことをしたとき、
「えらいね(You are good)」と相手を評価するのではなく、
「助かったよ(I am happy)」と自分の気持ちを伝えます。

「お皿を下げて、えらいね」
⇒「運んでくれてありがとう。お母さん、助かったわ」

「静かに待てていい子ね」
⇒「静かに待っててくれてありがとう。おかげで用事が早く済んだよ」

「役に立てた」という実感は、子ども自身が
自分は誰かの役に立つ存在だという感覚を強く刺激し、
自己肯定感の土台を強固にします。

「褒める」スキルがなくても、
「ありがとう」と言うことができれば、
自己肯定感は十分に育つのです。

「褒めるのが苦手」な親御さんは、
実はとても誠実な方なのだと思います。

心にもないお世辞を言いたくない、
という誠実さがあるからこそ悩むのです。

これは上司が部下を褒めるときにも
心に留めておいていただくといいと思います。

子どもが求めているのは、
親からの「高い評価」ではありません。

「あなたのことを見ているよ」という眼差しです。

これが子どもに安心感を与え、親への信頼を高めるのです。

「今日は元気ない顔してるね」
「ご飯、全部食べたね」
「楽しそうに遊んでるね」

そんな、何気ない一言一言が、
「あなたの存在を認めています」という
強力なメッセージとなり、
子どもの心に少しずつ溜まっていくのです。

赤ちゃんに対しても
「あ、立ったね」
「あ、笑ったね」
「あ、泣いちゃったね」

ただ見て、その事実を言葉にする。
それだけで、子どもの自己肯定感は、
大地に根を張るようにたくましく育っていきます。

今日一日、無理に褒めようとせず、
ただ子どもの姿を言葉にして「実況」してみてください。

きっと、親子の間に穏やかな空気が流れるはずです。

私自身もかつて、今となっては笑い話ですが
子どもが小さい頃、「もっと褒めなきゃ」と焦って、
高い声で「すごーい」と連発しては、疲れ果てていた時期があります(笑)。

「事実を言うだけでいい」と理解してから
かつての育児は驚くほど楽になりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も素敵な一日をお過ごしください。

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工藤紀子 代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。32年以上にわたり自己肯定感(セルフエスティーム)の研究と実践に取り組み、日本人の特性に最適化した独自メソッドを開発。

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