子どもが長い休みに入ると、親は子どもが学校に行っていてくれていた方が楽なのに!と思うことも多いかもしれません。
長い休みこそ、親が余裕を持って子どもに接することができれば、子どもの成長をつぶさに感じられたり、一緒に喜びを感じられる機会を増やせますが、実際のところ親は、子どもに対して穏やかに接したいと思いつつ、ついイライラしてしまうことも多いものです。
あなたにもそんな経験はないでしょうか?
「なんでこの子は、私がイライラすることばかりをするのだろう?」
すると子どもへの口調もきつくなりますが、果たしてそのあなたの中のイライラは、子どもが作り出しているものでしょうか?
このような場合、相手が自分に対して、イライラを引き起こし、イライラは相手が与えるものという印象を持ちがちですが、実際、相手の行動や言葉に対して、イライラという反応をしてしまうのは、自分自身です。
そこで、子どもがやったことや言ったことに対して、親である自分が「イライラする」かどうかを選んでいるとしたら?という視点を持ってみるとどうでしょう?
こんなことをやったから…イライラする
それをやらなかったから…怒りが湧く
こんなことを言ったから…許せない
このように出来事は感情へと流れていきますが、実は、この感情の前に、一瞬のうちに、その出来事に対して、私たちは自分がどう捉え、考えているか意味付けをしているのです。
そのことに気付けると、これは、子どもが親である自分に「イライラ」を与えたのではなく、そう見る「メガネ」をもった親である私が、自分をイライラさせていたということが分かります。
すると、子どもは、最初からあなたを怒らせたり、イライラさせようとはしていなかったことに気づけるのです。
ここで「親自身が子どもの言動を自分の感情に結びつけて、自分をイライラさせていた」という視点が持てると、自分の気分を悪くさせていたのは、その物事をどう捉えるかの自分の考え方だったことに気づけるのではないでしょうか?
子どもはその引き金を引いたに過ぎなかったのです。
この状態は、子どもに限らず、パートナーや会社での人間関係の中でも思い当たることがあるかもしれません。
どんな出来事や状況も、言葉や態度も、あなたの「フィルター」を通らずに、あなたをイライラさせたり、怒らせることはできません。
この自分の中にある「フィルター」である、考え方やモノの見方、受け止め方が、私たちの「自己肯定感」に大きく影響を与え、人生を楽しめるか、生きにくくするかをも決めていくのです。
たとえイライラしたときも、その状況を肯定的に捉えたり、自分が幸せと思える意味付けにしていけると、相手に対する感じ方や関わり方が大きく変わり、その相手に対しての「イライラ」も減少させられます。
子どもに対しても、これができると、余裕をもって接することができるので、子育ての楽しみを味わえるようになり、これが子どもの可能性を伸ばしていく関り方にもなっていくのです。
又、誰かに対して、イライラしてしまうときは、そのイライラの奥に隠れている、あなた自身の「分かって欲しい思い」を、あなた自身が認めてあげることも必要かもしれません。
「本当のところ、自分はどうしたいの?」
「何が不満なの?」
「相手にどうしてほしいの?」
その本当の思いを汲み取ってあげると、イライラは次第に収まってきます。
親のイライラは子どもに安心感を与えられず、子どもの自己肯定感を支えることはできません。親の感情は子どもの自己肯定感に一番影響を与えているのです。
子どもの自己肯定感によい影響を与えるためにも、親自身がご機嫌でいることが大切です。
そのためには、まず親自身が自分の満たされない思いに気付いて、そこをしっかりケアしてあげることが何より重要なことなのかもしれません。
(文責:代表理事 工藤紀子)