過剰な承認欲求が引き起こすものは?

工藤紀子
この記事の監修者
工藤紀子|代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。自己肯定感の研究と実践に32年取り組み、のべ2万8千人以上に研修を実施。著書に『レジリエンスが身につく 自己効力感の教科書』『職場の人間関係は自己肯定感が9割』等。詳しいプロフィール →

「人に認められると嬉しい」という感情は誰にでもあります。

しかし、「他者に認めてもらいたい」「注目されたい」「称賛されたい」という気持ちが過剰になり、その欲求を満たすことばかりに意識が向いてしまうと、冷静さを失うことになります。

SNSや動画投稿などでも、その意識が過剰な場合、他者から「いいね」を沢山もらったり、再生回数が上がることで自分への承認が得られると思うと、その「承認」がもっと欲しいために、内容はますますエスカレートしてしまうことがあります。これは、問題となっている「バイトテロ」の要因としても考えられます。

健全な承認欲求であれば、自分自身の言動に対する周囲の反応をモニターしながら自分の言動が適切だったかどうかを判断する「セルフモニタリング」の心の機能が作用するのですが、他者承認欲求が強すぎると、自分の言動が適切かどうだったかを判断する心の機能が働かなくなることがあります。すると、相手の視点を想像することができず、自分が与える印象について勘違いしたままの一方的なアピールになってしまうのです。

他者承認欲求が強いということは、「自己肯定感」が低い状態です。それは、自分で自分を認め、受け入れていないために、他者の承認でしか自分を確認できないのです。そうなると「他者から認めてもらいたい」「他者に注目されたい」という気持ちに際限がなくなります。

このように自分の価値を他者による承認に頼りすぎると、常に他者の目に振り回され、自分を見失い、情緒も不安定になりやすくなります。なぜなら、外側にある他者という評価軸は、相手によって、状況によって常に変化するからです。

常に誰かと繋がり、他者から認めてもらうことでしか自己価値を感じられないと、一時的に他者から認めてもらって満足感を得られても、自分の本当の満足にはなりません。それは、さらに外側へ他者承認を得たい衝動に突き動かされ、それを得るために自分を制御できなくなる危うさが隠れているのです。

自分の価値観で納得のいく生き方を模索するのは容易なことではありませんが、自分で自分を認め受け入れられる「自己肯定感」が持てると、「他者からの承認」を得ることで、自分を満たそうとする衝動から抜け出すことができるのです。

ベーシック講座では、過剰な承認を求めずにいられるためのスキルを身につけるワークもありますので、自分を制御できるようになります。

(文責:代表理事 工藤紀子)

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