Z世代の「自己肯定感」を高めるには?最新調査と心理学が示す効果的な3つのアプローチ【2026年版】


📌 この記事のポイント
- Z世代は1995年以降生まれ(2026年現在、16〜31歳)。デジタルネイティブで自分らしさを大切にする世代。
- 日本財団2024年の6カ国比較調査で、日本のZ世代の自己肯定感の低さが浮き彫りに。
- 背景にはSNS時代の24時間比較社会・承認欲求のループ・将来不安の3つの構造的要因。
- 「自分軸」を育てる3つの実践的アプローチで、健全な自己肯定感は今からでも育てられる。
- 親や上司・人事担当者の関わり方も重要。「比較しない関係」が鍵。
近年、ビジネス・教育・マーケティングのあらゆる場面で「Z世代」という言葉を耳にするようになりました。
「Z世代の自己肯定感は低い」と語られることが多い一方で、彼らはデジタル技術を駆使し、自分らしさを大切にし、推し活を楽しみ、サステナビリティやウェルビーイングへの意識も高い世代でもあります。
本記事では、JISE(日本セルフエスティーム普及協会)が32年にわたる自己肯定感研究で培った視点から、最新の調査データを踏まえてZ世代の自己肯定感の実態とその構造を読み解き、健全な自己肯定感を育てる3つの実践的アプローチをご紹介します。
Z世代とは?【2026年現在16〜31歳のデジタルネイティブ】
Z世代(Generation Z)は、1995年から2010年頃に生まれた世代を指します。2026年現在で16〜31歳に当たり、学生から若手社会人まで幅広い層が含まれます。
Z世代を特徴づける5つの要素
- デジタルネイティブ:物心ついた時からインターネット・スマートフォンが当たり前にある環境で育った
- SNSが生活の一部:YouTube・Instagram・TikTok・BeRealなど複数のSNSを使い分ける
- 多様性への寛容:ジェンダー、価値観、ライフスタイルの多様性を自然に受け入れる
- 自分らしさ重視:マクロミル2024年調査では、新成人の51%が「自分らしさを大切にしたい」と回答
- 推し活文化:同調査で33%が「推し活をしている」と回答
こうしてみると、Z世代は決して「内向きで弱い世代」ではなく、多様な価値観を生きる新しい世代だと言えます。それでも「自己肯定感が低い」と語られるのはなぜでしょうか。
日本のZ世代の自己肯定感は本当に低い?【日本財団2024年6カ国比較】
日本財団が2024年に実施した「18歳意識調査(6カ国比較)」では、日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インドの18歳を対象に、自己認識に関する調査が行われました。その結果、日本のZ世代の自己肯定感の低さが顕著に表れました。
| 調査項目 | 日本のZ世代 | 他国平均 |
|---|---|---|
| 「自分には誇れる個性がある」と思う | 低水準 | 高水準 |
| 「自分の国に誇りを持っている」 | 低水準 | 高水準 |
| 「将来、自分の国は良くなる」 | 最低水準 | 高水準 |
| 「自分自身に満足している」 | 低水準 | 中〜高水準 |
出典:日本財団「18歳意識調査(6カ国比較)」2024年
注目すべきは、これは決して「日本のZ世代だけの問題」ではなく、日本社会全体の構造を反映した結果だということです。同様の傾向は、令和5年度内閣府「子供・若者の意識と生活に関する調査」でも報告されています。
なぜZ世代の自己肯定感は低くなる?3つの構造的背景
Z世代の自己肯定感の低さには、3つの構造的な背景があります。
背景1:SNSによる24時間比較社会
Z世代の最大の特徴は「比較対象が圧倒的に多い」ことです。サイバーエージェント2024年Z世代SNS調査によると、利用率はYouTube 86.3%、Instagram、TikTok、BeRealなど複数のSNSを使い分けています。
SNSのタイムラインには、友人の楽しそうな投稿、インフルエンサーの華やかな日常、同世代の成功体験が、24時間絶え間なく流れ込みます。かつての世代が「クラスメート数十人」と比較していた時代とは、比較対象の規模が桁違いです。
SNS上では「ハイライトのみ」が共有されます。他人の人生は輝いて見え、自分の日常は色褪せて感じる──これがZ世代の自己肯定感を消耗させる構造的な原因です。
背景2:デジタル承認欲求のループ
「いいね」「フォロワー数」「コメント数」という数値化された承認は、Z世代にとって自己価値の指標として機能しがちです。
Deloitte 2024-2025年のグローバル調査でも、Z世代の承認欲求の高さが報告されています。投稿への反応が少ないと自己肯定感が下がり、反応が多いと一時的に高まる──この上下動が絶え間なく続くと、自己肯定感が「他者の評価」に依存する構造が固定化されてしまいます。
背景3:将来への経済的・社会的不安
第一生命経済研究所「Z世代の将来不安」調査では、Z世代は経済的不安(年金・住宅・子育て)と社会的不安(環境問題・国際情勢)の両方を抱えていることが明らかになっています。
「努力しても報われない」「未来が見えない」という感覚は、自分の能力や存在価値への自信を揺るがします。Z世代は「自己責任論」に晒されながら、構造的な閉塞感の中で生きている世代とも言えるのです。
SNS時代特有の「自己肯定感の不安定さ」
SHIBUYA109 lab. 2024-2025年の調査では、Z世代のSNS利用に新しいトレンドが見られています。
Z世代のSNS新潮流
- クローズドSNS化:本音を語れる「裏アカ」「リア垢」「趣味垢」など複数アカウントの使い分け
- BeReal人気:「盛らない・編集しない」リアルな日常を共有するSNS
- 世界観表現:投稿の色味・雰囲気を統一し「自分のブランド」を作る
- 「他人の目」意識:オープンSNSでは常に「見られている」感覚
これらは「SNSに疲れた」Z世代が、自分を守るために編み出した工夫でもあります。同時に、「複数の自分」を使い分けることで、本当の自分が分からなくなるという新しい課題も生まれています。
健全な自己肯定感を育てる3つのアプローチ
Z世代の自己肯定感は、環境を変えれば必ず育てられるものです。JISEの自己肯定感研究と実践に基づく、3つの効果的なアプローチをご紹介します。
アプローチ1:デジタル境界線を引く
SNSを完全に断つのは現実的ではありません。大切なのは「使われる」ではなく「使う」立場に立つことです。
| ❌ 自己肯定感を下げる使い方 | ✅ 自己肯定感を守る使い方 |
|---|---|
| 起きてすぐ・寝る前にSNSをチェック | 朝晩はSNSから離れる時間を作る |
| 「いいね」の数で自己評価する | 投稿前に「自分は満足しているか」を問う |
| 気分が落ちている時にSNSを見る | 自分が消耗するアカウントはミュート/フォロー解除 |
| 他人の投稿に長時間滞在 | 利用時間を可視化し、リアルの時間を増やす |
アプローチ2:「自分軸」を育てる
SNS時代の自己肯定感を支えるのは「他人の評価軸」ではなく「自分の評価軸」です。マクロミル2024年調査でZ世代の51%が「自分らしさを大切にしたい」と答えていますが、その「自分らしさ」を具体化する習慣が大切です。
具体的な実践方法:
- 「好き」「嫌い」を毎日言語化する:朝・夜に「今日の好きだったこと3つ」を書く
- 自分の価値観を3つ書き出す:「正直さ」「思いやり」「探求心」など、自分が大切にしたい価値観
- SNSの投稿を「自分のため」にする:他人ウケより、自分の記録として残す
- 自分の選択を信頼する:「こうすべき」より「こうしたい」を優先する練習
アプローチ3:自己効力感を積み重ねる
自己肯定感(Self-esteem)を支えるのが、自己効力感(Self-efficacy)です。「自分にもできる」という感覚を、小さな経験から積み重ねることが大切です。
自己効力感を育てる小さな実践
- 「できたことリスト」を毎日3つ書く(達成体験の蓄積)
- 誰かに「ありがとう」と感謝される経験を作る(社会貢献感)
- 新しいスキルを学ぶ・小さな挑戦をする(成長実感)
- 「うまくいった人」のロールモデルを見つける(モデリング)
- 自分の感情を言語化する(メタ認知)
これらは1日5分でできる小さな実践ですが、「自分は人生を選択できる」という主体性を育てる効果があります。
親・上司・人事担当者ができるサポート
Z世代の自己肯定感を支えるには、周囲の大人の関わり方も重要です。
親ができること
- 「他の子と比べる」言葉を使わない(「○○ちゃんは…」をやめる)
- 結果よりプロセスを認める(「頑張ったね」を伝える)
- 子どもの「好き」を否定せず、応援する(推し活も含めて)
- SNSの利用について一方的に禁止ではなく、対話する
上司・人事担当者ができること
- 1on1で「比較しない」:他のメンバーと比べる発言を避ける
- 強みフィードバック:弱みより強みに焦点を当てる
- 心理的安全性を確保する:失敗を責めず、学びとして扱う
- キャリアの多様性を認める:昇進だけが成功ではないと示す
- 業務スキルだけでなく、自己肯定感を育てる研修も導入する
Z世代社員の早期離職対策には、業務スキル研修だけでは不十分です。「自分はこの組織で必要とされている」「自分の成長が認められている」という自己肯定感を育てる関わりが、定着率と生産性の両方を高めます。
Z世代・若手社員の自己肯定感を組織で育てたい方へ
SNS時代に育った若手社員の心の土台を整え、主体性とエンゲージメントを引き出すには、自己肯定感を起点とした研修が効果的です。JISEでは、Z世代の特性を踏まえた企業研修プログラムをご提供しています。
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- → α世代の自己肯定感|Z世代の次に来る世代の特徴
2010年以降生まれ、生成AIネイティブ世代の心の構造。 - → インポスター症候群|「自分は実力がない」と感じる心理
Z世代女性に多い「自分を過小評価する」心の癖。 - → 固定マインドセットと成長マインドセット
能力は固定か、伸ばせるか──キャロル・ドゥエックの心理学。 - → 子どもの自己肯定感を育てる親の関わり方
Z世代の親世代に向けた、自己肯定感を育む声かけのヒント。
引用・参考文献
・日本財団(2024年)「18歳意識調査(6カ国比較)」
・サイバーエージェント(2024年)「Z世代SNS調査」
・マクロミル(2024年)「新成人500名意識調査」
・SHIBUYA109 lab.(2024-2025年)「Z世代SNS利用調査」
・Deloitte(2024-2025年)「Global Gen Z and Millennial Survey」
・第一生命経済研究所「Z世代の将来不安に関する調査」
・内閣府「令和5年度 子供・若者の意識と生活に関する調査」
・工藤紀子(著)『レジリエンスが身につく 自己効力感の教科書』総合法令出版
・工藤紀子(著)『職場の人間関係は自己肯定感が9割』フォレスト出版























