ビジネスで、部下の仕事についつい口出ししたくなってしまう場面はないでしょうか?
部下の仕事ぶりに不満を感じていたり、全面的に任せるのが不安に感じてしまうと、部下のやることなすことにいらいらして、細かく口出ししてしまいたくなります。この「介入」は、「子育て」のときの、親が子どものやることなすことに対して、ついつい口出ししてしまう「干渉」と似ています。
これは相手への「コントロール」となり、過度になると「支配」にもなりかねません。この状態では「部下や子ども」は自分は信頼されていないと感じ、上司や親への反発のエネルギーは高まっても、自らの意欲や自発性を高めることは難しく「自己肯定感」は下がります。
では、なぜ細かいことに口出ししたくなり、過度に介入したくなるのでしょうか?
相手がうまくいくように、相手の成功を願ってアドバイス(口出し)をしているつもりでも、相手が抱えている問題を自分の問題であるとすり替えてしまった時点で、部下や子どもの失敗が自分の価値を危うくすると感じてしまうために、それが怖れとなり、自己防衛心や自分のエゴから、介入や干渉をしたくなるケースが考えられます。
相手のためと思っていても、実は「口出し(介入)」や干渉は、部下や子どもの成果が自分の価値を左右すると考えているので、そこで失敗すると自分の価値も下げられるので困るという気持ちが見え隠れしています。
これは口出しや干渉をしたくなってしまう人の「自己肯定感」が影響してきます。
「自己肯定感」が低いと、どうしても自分(自己価値)を守る「自己防衛」をしないといられないので、言動全てが、相手のためではなく、自分を守るためのものとなってしまい、それを相手も感じ取るので、信頼関係は築きにくくなります。
部下や子どもが伸びていくときにできる大事なことは、自分が取り組むべき課題は自力で問題を解決でき、克服できた!と思える状況にもっていくことです。それが自己肯定感を高め、自信につながります。
そのためには、上司や親も、それが最終的に誰の問題なのか?を考え、自分ではなく、相手に関わることなら、相手の問題として尊重し、相手が自力で解決できるように一歩引いて、その問題に介入せず、「見放す」のではなく、「見守る」姿勢が必要となります。
そこでもし部下や子どもが「何かアドバイスが欲しい」「教えて欲しい」「助けてほしい」と言ってきたら、そこで初めて手を貸すことができ、そこに応えることで相手との信頼関係が築かれていきます。
そこで、大事になるのはサポートして欲しいときに、遠慮せずに上司や親に言える状態がつくれているかどうかです。信頼に基づいた双方向のよい関係を築くには、育てる側が相手を最初に「どう見ているか」がとても大事になります。
そこでは「何ができるから」とか「何をしたから」という「〇〇だから」という条件付きではなく、部下や子どもをまるごと信じてあげられているかが、本人の意欲ややる気を支え、さらに自力で問題を解決し、克服できる力を育てていけるのです。
相手の何を信じてあげるかが、今その人がどうであるかよりも、その人の未来を決定づけていくとしたら、上司や親の役割は部下や子どもにとって、かけがえのないものとなるはずです。そして、それを実現していくには、常にサポートする側の「自己肯定感」が試されているのです。
(文責:代表理事 工藤紀子)
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