米グーグル社が、「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことにより、日本の企業でも「心理的安全性」について議論されることが多くなっています。
「心理的安全性」を提唱したハーバード大学のエドモンドソン教授によると心理的安全性とは、「このチーム内では、対人関係上のリスクをとったとしても安心できるという共通の思い(”A shared belief held by members of a team that the team is safe for interpersonal risk taking.” )」としています。
企業内での取り組みは、Googleで検索していただければリクルート、ビズリーチなどの記事が沢山ヒットしますので、ご興味のある方は検索して下さい。
私が今日の記事でお伝えしたいのは企業のみならず、スポーツの現場や家庭内でも「心理的安全性」が非常に重要だということです。
チームスポーツでは、躍進し続けている新体操女子日本代表フェアリージャパンに「心理的安全性」が担保されているのを見ることができます。
医師の志村祥瑚氏が、新体操女子日本代表フェアリージャパンのメンタルスタッフとなってから、フェアリージャパンは同年開催の世界選手権で42年ぶりとなる個人・団体ともに銅メダルを獲得。ワールドカップでは優勝しています。劇的な進化を遂げたフェアリージャパンに生まれた感情、それは「失敗してもいい」という共通認識ですが、心理的安全性を一言でいうならば、この「失敗してもいい」という安心感です。
様々な場面、仕事やスポーツ競技などで心身を硬直させてしまうのが、「失敗したらどうしよう?」「失敗したら笑われる」という不安感ですが、彼女たちの躍進の影には、「練習では、大きな失敗してもいい、チャレンジしよう」「私たちは十分なトレーニングを行った。失敗していい、100%のパフォーマンスを発揮しよう」というマインドだと考えられます。
アメリカのスポーツ指導の現場では、心理的安全性が指導の際に取り入れられてきていて、NHK「奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち~[新]「野球編」」で、元千葉ロッテマリーンズ監督で日米の野球界で活躍したボビー・バレンタイン氏は、番組の中で『失敗には2通りある。「日頃の怠惰から当然起きる失敗」と「全力で挑戦したけれど起きる失敗」この2つの違いは大きく、前者は許してはならないが、後者の場合はほめてほしいということ。「失敗をほめる」それは、全力で取り組むことをほめることだということです。全力で取り組んだ後の失敗は、次に成功する可能性が高いのです!』と述べています。
重要なのは、失敗には2種類あって、リーダーや指導者は、失敗がどちらのタイプの失敗なのかを把握することなのです。企業においては、部下が失敗することを許可したうえで、失敗がどちらのタイプなのを把握することであったり、家庭においては、パートナーや子ども達の失敗を許可したうえで、どちらの失敗なのを考えて応援してあげることが大切だということです。
心理的安全性が担保されると、企業内においては離職が少なくなると言われていますが、家庭内で心理的安全性が担保されていると、離婚やコミュニケーションのすれ違いによる様々なトラブルが無くなります。
職場でも家庭でも、他人の失敗を許容できるようになるためには、「自己肯定感」が欠かせません。自分をありのままに信頼できるようになると、周りの人のありのままを認めることが出来るようになるからです。講座では「自己肯定感」を高める様々な方法を、直接お伝えしています。
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参考:Edmondson (1999) Administrative Science Quarterly. 44(2)
『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(英治出版)
NHK「奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち~」
(文責:工藤洋一)
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