手っ取り早く手に入るものは、失いやすい

工藤紀子
この記事の監修者
工藤紀子|代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。自己肯定感の研究と実践に32年取り組み、のべ2万8千人以上に研修を実施。著書に『レジリエンスが身につく 自己効力感の教科書』『職場の人間関係は自己肯定感が9割』等。詳しいプロフィール →

海外のTEDが興味深く示唆に富んでいるのは、長期に渡る調査を元にしたスピーチが多いからですが、それは「幸福」に関するものでも同様です。

心理学者ロバート・ウォールディンガーは「一生を通し、私達を幸福で健康にするものは何でしょう?」と問いかけます。名声や富と答える人も多いでしょうが、ウォールディンガーに拠ると、それは間違っているのです。75年に渡る成人発達に関する研究のディレクターであるウォールディンガーは、真の幸福と満足感に関する無類のデータを基に、この研究結果が私達に教える3つの重要な教訓と、昔からの知恵、幸せな長寿の秘訣をこのトークで語っています。

最後に「良い人生は良い人間関係で築かれている」との一言でスピーチを終わっていますが、自分はどんな人間関係を築けているのか? 自分が家族や親族、友人たちに対して十分なコミュニケーションが出来ているのか、そしてその方法は正しいのかなど、スピーチを聞きながら様々な事を考えさせられました。

「良好な人間関係は、簡単には構築できない。相互理解や努力、そのための時間が必要」とも話されています。

ウォールディンガーは、幸福に生きるためには「良好な人間関係」と教えてくれていますが、メイヨークリニックのデータでは、自己肯定感が高い状態でいると「安全で誠実な関係を築くことができる。そして不健康な関係にとどまる可能性が低い」「より弾力性があり、ストレスに耐えることができる」とあります。

良好な人間関係を築くには、人生のあらゆる面に影響を与える「自己肯定感」が必須なのだと思います。

良好な人間関係も、高い自己肯定感も、堅牢で確実なものにするためには、自分自身と向き合う十分な時間が必要になります。
焦らずに自分と向き合い、地道に自己肯定感を上げる取り組みを毎日続けていくと、自己肯定感は高まり、他者との人間関係も良好になるのではないでしょうか。

ビジネスでも人間関係でも、手っ取り早く手に入るものは、すぐに失ってしまうことが多いですが、じっくりと基礎を固めたものは、時間はかかっても失うことはないのです。

(文責:工藤洋一)

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工藤 洋一 理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 理事。自己肯定感に関するコラム執筆・講座運営を担当。

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