「まあ、いいか」のススメ | 一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会

「まあ、いいか」のススメ

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優秀な人ほど、許せなくなるのが失敗(ミス)や挫折です。
失敗(ミス)を許せない人には、様々な局面を才能と努力で乗り切ってきた経験を持つ方が多く、失敗した経験が少ないために失敗時に必要以上に自分を責めてしまう場合があるようです。失敗が無いことは素晴らしいことですが、微小な失敗に関して必要以上に自分を責めるのは必ずしも良いことではないのです。

ハインリッヒの法則が証明しているように、重要な仕事上のミスを看過することは大事故に繋がる事にもなりかねませんが、自分や他人のミスを必要以上に責め続けたりするとなると話は別になってきます。軽微な失敗に対し、連続する自己否定や批判、叱責などがもたらすものは、硬直する思考だったり、改善の放棄に繋がりかねません。

例えば、典型的な失敗に対する自分自身への叱責は、「なんで、〇〇ができないんだ」「私はいつも〇〇しちゃうからダメだ…」などですが、Guy Winch(心理学者)は、著書『NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法』の中で、『もし、あなたの6歳の息子がテストで失敗し、「僕って何もできないバカなんだ」とつぶやいていたら、「そんなことを言うものじゃない」と諭したくなるでしょう。否定的な言葉がその子自身を傷つけ、悪影響をおよぼすことがわかっているからです。しかし、いざ自分が失敗すると、私たちはその子と同じように自分を傷つけてしまいます』と指摘しています。

悔やまれる失敗した時に、反省してすぐにそれを次にどう生かすかを切り替えられればいいですが、なかなかそうもいかないものです。そんな時「自分はなんてダメなんだ」と自分に否定的な言葉を投げかけてしまいたくなることもあるでしょう。でも、自分へのダメだしは一瞬にしましょう。次に現状をしっかり把握して、次にどう生かすかを考えるためにも、そこで必要になるのが「視点を変える」ことです。

そして、何よりも恐ろしいのは「反芻(ruminating)」です。

「自分はなんてダメなんだ」「自分はなんてダメなんだ」「自分はなんてダメなんだ」「自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」自分はなんてダメなんだ」……と

反芻すればするほどダメな自分への認識を強化して、前に進む気力を削いでいきます。
そこで、お勧めなのが、自分を許容する言葉。「まっ、いいか」と自分に言ってあげること。「まっ、いいか」は、逃げや放棄ではなく、いい悪いと自分をジャッジするのではなく、落ち込んでいる自分であっても、その自分をありのまま受容しています。

「まっ、いいか」は、自分責めの状態から一瞬、目をそらし、肩の力を抜いてくれます。するとホッとリラックスして、そこから、視点を変えていけるのです。すると、気持ちも浮上して「次はどんなふうにしたらいいだろう、次にその経験をどう活かしていけるか」と、次への意欲も生まれてきます。自分を責めて体が硬直していては、どんなに頑張ろうとしても、次への最高のパフォーマンスにはつながりません。

失敗して「自分はなんてダメなんだ」と思ってしまったとしても、そこで「まっ、いいか」と唱えてみてください。そして「ふぅ~」っと息を吐きます。気持ちが楽になりませんか。これで、こわばった心が解放されて軽くなります。「まっ、いいか」という言葉はあなたの心をストレッチしてくれるのです。

「まっ、いいか」という視点を変える言葉を唱えるだけで、状況は変わらなくても、あなたが受け取る感情は違ってきます。

失敗や挫折をしない人はいません。失敗やミスをしても、それをないことにしたり、その状況で落ち込まないことを目指すのではなく、落ち込んでしまったとしても現状を受け止めながら、その気持ちをどう早く立て直せるかが非常に大事になってきます。この「まっ、いいか」という言葉は、崩れそうになるあなたの自己肯定感をしっかり支えてくれるのです。

Guy Winchは、失敗や挫折を味わった時に応急処置として以下の4つをあげていますが、手当Aの前に「まっ、いいか」という言葉を投げかけてから応急処置をやるのが効果的だと思います。

手当てA 失敗を前向きに受け止める
手当てB 自分の力で改善できることに目を向ける
手当てC 失敗を直視する
手当てD 不安とプレッシャーから注意をそらす

参照:「NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法(原題:EMOTIONAL FIRST AID)」
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1111/j.1745-6924.2008.00088.x?journalCode=ppsa

(文責:工藤洋一

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