妻と娘の3人家族。
それは、30数年前、僕がまだ24才の時です。
大好きで結婚したはずの家内とは、ちょっとした意見の相違からケンカばかり。夫婦仲は最悪で5年間ほど家庭は冷えきり、まるで氷河期のよう。あまりの冷たさにマンモスゾウが闊歩し、しらけ鳥が離婚届を口にくわえて飛び回っていたほどです。
そんな状況のなか、良い子育てをしようと育児書を読んでいた家内が出会った言葉が「自己肯定感」でした。
今でこそ「自己肯定感」という言葉を耳にするようになりましたが、当時は自己肯定感を上げる方法など調べようもなかったので、彼女は手探りで研究し独自メソッドを作り上げ、実践してきたのです。それ以来、夫婦関係は大きく改善し、不思議なことに家庭の中でパートナーが自己肯定感を上げることに成功すると、一気に夫婦関係が良くなり、僕自身、家内の変化に戸惑いながらも彼女が太陽のように家庭を照らすようになったことで、あんなに冷え切っていた氷河期のような関係も終わりを迎えました。
自己肯定感や自己評価は、その時々の体調などでも変化するので、一年中高い状態にいるというわけではありませんが、自分がそのままでいいという感覚はとても重要で、それが次の行動への意欲に繋がっていきます。僕の場合、自己肯定感を持てていなかったときは、自分が上手く行かない事を外部のせいにしていましたし、ちょっとのことで感情的なると、すぐ意欲をなくしてしまいましたが、トレーニングを経て自己肯定感を持てるようになってくると、内から湧き上がる意欲で日々を過ごすことが出来るようになってきました。
日常の中で、内から湧き上がる意欲で生活できるようになると、公私ともに生きやすく、以前より幸福感や充実感を感じられるようなりました。
世界の中でも「自己肯定感」が低いと言われている日本人ですが、ネット環境の充実、PCやスマホの普及により、世界中の子どもたちと、そして大人もが「自分の魅力や価値」を見失っていると感じます。
『Dove 自尊心向上プロジェクト』のミーガン・ラムジーはTEDスピーチの中で自己肯定感の重要性を語っていますが、勿論、それは日本にも当てはまり、大人がやらなくてはいけない事が見えてきます。
子どもたちを守ってあげる事と同時に、そして我々、大人自身も他人との比較をやめ自分たちの価値を認めてあげる事が重要だと思います。
比較することが悪いことではなく、比較することで自分を貶めるメンタル思考が問題なのです。
「自己肯定感(セルフエスティーム)」を理解することで、沢山の気づきを経て、人生が変化した人を沢山見てきました。本来の自分らしさを取り戻したい方、より笑顔の多い毎日にしていきたい方は、自己肯定感を学ばれる事をお勧めします。
一般社団法人 日本セルフエスティーム普及協会(JISE)の男性トレーナーとして、男性からみた「夫婦関係と自己肯定感」「父親と子どもをつなぐ自己肯定感」なんて話も講座の間にしようと思っています。
工藤洋一