日本史・文化から学ぶ、自己肯定感(6)【心柱】

工藤紀子
この記事の監修者
工藤紀子|代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。自己肯定感の研究と実践に32年取り組み、のべ2万8千人以上に研修を実施。著書に『レジリエンスが身につく 自己効力感の教科書』『職場の人間関係は自己肯定感が9割』等。詳しいプロフィール →

人に振り回されずにもっと強くなりたい、ストレスを抱え感情が大きく揺らいでしまう。
自分を支える柱があったら・・。

心の柱と書いて心柱(しんばしら)
ご存じの方も多いと思います。
日本の伝統的木造建築である三重塔や五重塔。
内部は吹き抜けの中空構造になっていて、真ん中は塔の先端部を支持する心柱だけが一本でつながっています。

この三重塔や五重塔は幾多の地震にあっても倒れず、その姿を長年保ち続けています。特に国宝法隆寺は1300年前に建てられ、その威厳ある姿を今も多くの人に見せています。寺院建築は中国から伝わりましたが、中国の塔には心柱がないそうで、当時の建築職人の技術の高さは驚嘆に値しますし、日本人としてもとても誇りを感じます。

五重塔が地震が起きても崩壊しないのは、心柱が振子となる制御効果説など色々と言われており、東京スカイツリーもこれに似た構造をもっていることは広く知られています。
地震が起きると、五重塔の一重が右に揺れると二重は左に揺れ、三重は右に揺れと互い違いに揺れることで全体で衝撃を吸収するそうです。
これは、私たちの感情のコントロールにもいえるのではないでしょうか。

心柱の存在が揺れの衝撃のバランスを自然にコントロールし、何が起きても安定感を保てているように、自分の中にこのようなしっかりした心柱があることで、ストレス、嫉妬、怒り等で激しく感情が揺さぶられてしまった時、心が折れそうになった時、全体の衝撃を吸収するため感情の揺れをコントロールしてバランスをとり、本体(自分自身)を崩さなくて済むことができるはずです。

協会では、自己肯定感を心の体幹とお伝えしていますが、まさに心柱も心の体幹に近いのかもしれません。自己肯定感を育むことで、それは強化され、感情のバランスをとりやすくなります。昨今は、想定外の自然災害だけでなく、コロナ感染やSNSなど衝撃的な出来事がいつ起きるかわからない時代になっています。
自分の中の心の体幹、心柱をしっかりと築いていくことで、1300年まではいかなくても、自分自身が生きている間、例え衝撃なことが起こったとしても、感情の揺れを無理なく最小限に抑え、安定感を持ち、自分自身を保っていくことができるはずです。そして、それは周りの人にも安定感を与えることになっていきます。

(文責:おないみえこ

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