思春期の子どもと向き合うときに親の自己肯定感が試される理由

お子さんが思春期(ティーンエイジャー)を迎える頃、
多くの方が子育てにおける最大の試練を感じるのではないでしょうか。

それまで親の言葉を素直に聞いていたわが子が、
急に無口になったり、親の価値観に異議を唱えたり
反抗的な態度をとるようになります。

この時期、親御さんが抱く最大の不安は、
「自分のこれまでの子育ては間違っていたのではないか」
「もう親として必要とされていないのではないか」
という自己への疑念です。

実は、思春期の子どもとの関わりは、
親の自己肯定感がどれだけ安定しているかを試される期間なのです。

思春期の子どもが取る行動の多くは、
「親からの分離独立」と「自己確立」という、
健全な成長課題に基づいています。

子どもは、自分の人生の主導権を親から取り戻そうと必死です。

しかし、その独立のプロセスが、
親の心の奥にある「自己肯定感の弱点(地雷)」を正確に刺激します。

例えば、子どもが
「部屋に閉じこもる、会話を拒否する」といった行動をとったとき

親の心の反応は、「親の存在の否定」
「もう私と関わりたくないの?」
「私の愛は拒否された」

こんなふうに考えてしまいます。

また、子どものファッションや生活リズムの乱れに
自分の子育てが間違っていたのでは?と自分を否定しかねません。

子どもの行動は、親(わたし)の
人間全体を否定しているわけではないのに、
親の心は「子どもからの拒絶」と拡大解釈してしまい、
自分の存在価値の揺らぎを感じるのです。

親の自己肯定感が揺らいでいると、
子どもからの「分離」のサインを恐れるあまり、
無意識のうちに「子離れ」を妨げる行動に出てしまいがちです。

例えば、進路選択のとき、
子どもの適性や意志よりも、
世間体や親の理想を押し付け、
進路や習い事について過度に口出ししてしまう。

その結果、子どもは「親は自分を信頼してくれない」と感じ、
親への反発心を強め「自己決定力」が育ちません。

思春期の子どもと向き合うことは、
親自身が「親という役割から独立した一人の人間」
として自己を再確立するチャンスです。

そのためにも「役割と存在の分離(切り離しの視点)」が必要です。

親としてのあなたの価値は、
子どもの成績や態度によって変わるものではないと、
意識的に心に刻みつけましょう。

実践方法: 子どもが反発した日の夜でも、「私は、この子を産み育ててきたという努力の積み重ねがある。それは誰にも否定されない価値だ」と、役割以外の自分自身を肯定する言葉を毎日一つ、紙に書き出します。

子どもからの否定的な言葉を受けたとき、
感情的に反応する前に、一度立ち止まります。

たとえば親子喧嘩で
子どもから「もうお母さんの顔も見たくない!」
と言われたとき

ひどくショックを受けて
胸がキューッと締め付けられるほど傷ついてしまったら

自分の感情を客観的に「実況中継」することで、
感情に飲み込まれず、「傷ついている私」と
「対応すべき親」を分離することができます。

これにより、感情的になるのを避け、冷静な対応が可能になります。

また、子どもが何を考えているかわからないとき、
無理に理解しようとせず、「承認」に徹します。

たとえば会話をしない子どもに対しての声がけとしては

×「何も話さないなんて、おかしいよ」ではなく

○「疲れているんだね」「一人になりたい気持ちなんだね」

と子どもの状態をただ言葉にすることで、
親は「私はこの子に関心を持っている」という姿勢を示し、

子どもは「親は僕をコントロールしようとしていない」という
安心感を得ることができます。

思春期は、子どもが自分の人生の主役の座をしっかり取り戻す時期です。

そして、親自身も、子どもと自分はそれぞれ別の人間で、
別の人生を歩んでいるということを自覚する必要があります。

親も自分自身の人生を取り戻す時期なのです。
「自分の人生の主役は、私自身だ」と、
改めて確認してみてはいかがでしょう。

親であるあなたの存在価値は、
子どもからの承認によって左右されるものではありません。

親という役割を超えた「あなた自身」の自己肯定感を強く育んでいきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も素敵な一日をお過ごしください。

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工藤紀子 代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。27年以上にわたり自己肯定感(セルフエスティーム)の研究と実践に取り組み、日本人の特性に最適化した独自メソッドを開発。

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