様々な意見を言い合える環境を作るため「心理的安全性」の重要さが指摘されて久しいのですが、上手く行っていないケースも多いようです。
多種多様な年齢、思考、習慣を持つ人々が安心して意見を言える環境を作り上げるのは本当に難しいことだと思います。
心理的安全性を組織内で醸成させる前に、まずは一番小さな組織でもある「家庭」で心理的安全性を作ってみて下さい。家族みんながお互いの意見を言い合える環境を作り上げることが、企業での心理的安全性を醸成させるヒントになると思います。
日経新聞(8月31日)『「学校楽しい」「夢がある」減少 児童生徒にコロナの影』によると、コロナ禍で様々な制限や報道により心身ともにダメージを受ける子どもたちが多くなっています。
文部科学省の全国学力テストで実施されたアンケートで「学校が楽しい」と感じている割合が下がっているとありました。
「学校に行くのが楽しいと思うか?」という問いに「当てはまる」と答えたのは小6で48.0%、中3で43.4%で、前回2019年調査と比べてそれぞれ6.0ポイント、2.4ポイント下がったそうです。また、将来の夢や目標をもっている子どもの割合も減少し、小6、中3で、それぞれ5.7ポイント、4.4ポイントの減少だったそうです。
19年度まではほぼ横ばいで推移していたので、今年度になってコロナの影響で友達とふれあい遊ぶ頻度が減ったことが原因と考えられています。
神戸大学院の林創教授は、「コロナが長期化して行事の中止や延期が繰り返され、子どもの心の中に諦めの気持ちが醸成せらた可能性がある」と指摘しています。
お子さんをお持ちの親御さんは、是非、子どもたちにより一層のケアをお願いしたいと思います。
こうした状況下で大切になるのが家庭内での「心理的安全性」です。子どもが辛い時、悲しい時、気分が乗らない時、怒りでいっぱいの時、子どもたちが自由に安心して自分の感情や意見を吐き出せる環境にあるかどうかが重要です。それが家庭で保たれていれば、子どもは家庭の中で安心して安らいで、エネルギーチャージをしてまた外へ出ていけます。その環境づくりを担うのがお父さん、お母さんです。
そして、コロナが長期化していることで生じるストレスは子どもたちだけではなく、私たち大人にも大きな影響を及ぼしています。子ども達への問いだった「学校が楽しいか?」を「会社(仕事)が楽しいか?」に置き換えるとご自身が受けている影響を感じることができるかもしれません。
度重なる「社会生活での制限」は大人の意欲と希望も削いでいきます。
こんな時こそ子どもも大人も、お互いの気持ちを尊重しながら伝え合える環境が大切です。つい一人で頑張ってしまう人は、何でも一人でなんとかしようとせずに、家族や友人、周りを頼るという選択肢を増やしてください。そしてあなたの近くにいる大切な人のこともさりげなく気にかけてあげてください。
「自己肯定感」は自分への思いやり、人への思いやりを持つためにも大切な感覚です。このような状況下だからこそ、どんな状況にあっても自分を支え、そして周りを支える力となる自己肯定感に注力していただきたいと思います。
(文責:工藤洋一)
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【参考記事など】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE314A20R30C21A8000000/
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