毒親と子どもの自己肯定感

工藤紀子
この記事の監修者
工藤紀子|代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。自己肯定感の研究と実践に32年取り組み、のべ2万8千人以上に研修を実施。著書に『レジリエンスが身につく 自己効力感の教科書』『職場の人間関係は自己肯定感が9割』等。詳しいプロフィール →

4月18日(木)のクローズアップ現代+のテーマは「毒親って!?親子関係どうする…」でした。

私達の協会の講座受講者の方にも、幼少期に親から受けた過干渉、暴言・暴力のトラウマに悩み、今でも「親のことは許せない!」「親は味方ではなく、最も身近にいる敵」「殴り返したい」と苦しい胸の内を明かす人が少なくありません。

毒親が子どもの「自己肯定感」と未来を奪っている現実を目の当たりにしています。

精神科医の斎藤学氏によると、毒親として訴えのあるタイプとして、(1) 過干渉、統制型の親(最も訴えが多い)、(2) 無視親(ネグレクト)、(3) ケダモノのような親(激しい暴力や暴言・性的虐待など、心身の健康、時には生命にも関わるもの)、(4) 病気の親(周囲の適切な支援と保護が必要な精神障害の親、ごく少数であるが反社会性パーソナリティ障害のような親)の4タイプを挙げています。

毒親に育てられた子どもは、ありのままの自分を認めることができず「自己肯定感」が低い傾向にあり、中学生や高校生時には不登校や鬱になったりすることもあります。子どもの「自己肯定感」を高めるために講座受講される方の中には、親自身の「自己肯定感」が低く、親の自尊感情を満たすために、過干渉・統制型になっている人が少なくありません。そのタイプの親は、子どもと同化しやすく子どもの成績や成果を自分の価値とすり替えたり、子どもの問題を自分の問題のように感じ、それを解決しようと躍起になる人が多いように感じます。

「私はあなたの為を思って言っているんだから!」や「〇〇すべき!」が口癖の人が多いのが特徴ですが、本当は親自身の「自己肯定感」が低く、親自身が周りから評価されたいというのが本音で「子どもの頑張り」を利用していることも多いのです。

「私は愛情をもって子育てしてきた」というケースでも、それが子どもへの押し付けになっている場合は、子どもは「デットボール(剛速球)」としか受け取れていません。親が愛情だと主張しても子どもがそれを愛情だと受け止めない限りは、そこに愛情は存在していないも同然です。つまり、親が愛情だと思っていることが、子どもにとっては愛情どころか憎しみの源泉になってしまうこともあるのです。

核家族化の中で、かつてのように祖父母のような存在が身近になく、子どもが家庭の中で逃げ場を失ってしまっているのも原因の一つだと考えられています。夫婦仲が悪いことが影響することもあり、そのストレスが暴力や暴言となって子どもに向けられるケースもあります。

今、子育て中の親御さんは、「子どものため」と思って言ったり、やったりしていることでも、それが親の都合になっていないかを確認してみてはいかがでしょうか? 毒親に育てられた方は、親との関係性を振り返り、一日も早く自尊感情を取り戻すことが重要です。

(文責:工藤洋一

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工藤 洋一 理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 理事。自己肯定感に関するコラム執筆・講座運営を担当。

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