2019年に発表された内閣府子ども若者白書の「日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの」によれば、満13歳~29歳までの日本の若者のうち、「自分に満足している」45.1%、「自分には長所があると感じている」は62.3%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えたが、これらは諸外国と比べて割合が低いだけでなく、2014年の前回調査よりも下がっていることが分かりました。
出典:内閣府 令和元年版 子供・若者白書
調査では「日本の若者は諸外国の若者と比べて、自分自身に満足していたり自分には長所があると思ったりするなど、自身を肯定的に捉えている若者の割合が低い傾向にあり、こうした自己肯定感の低さには自分が役に立たないと感じる自己有用感の低さが関わっている点に、諸外国の若者にはみられない日本の若者の独自性がみられる」とされ、「自己肯定感」と「自己有用感」に相関しているのは日本の若者独自の傾向であることが示されています。
日本人特有の謙虚さや、思春期であることを考慮に入れても、日本の若者の自己肯定感の低さは5年前よりもさらに下がっていることが伺えます。
次に、自己肯定感にはどのような環境や経験が影響しているのかについてみていくと、「子どもの頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究」(国立青少年教育振興機構・2018年)によれば、20代~60代の男女5000人を対象とした調査が参考になります。
調査では「子どもの頃、家庭の教育的、経済的条件に恵まれなかった人でも、親や近所の人から褒められた経験が多かった人や、家族でスポーツしたり、自然の中で遊んだこと、友達と外遊びをしたことが多かった人は自己肯定感が高い」という傾向が浮き彫りになり、「周囲の大人からの評価」と「外遊びやスポーツの経験」が自己肯定感に影響していることが分かりました。
今回の調査では「へこたれない力」についても調査がされています。
〇 子供の頃、家族行事やお手伝い、友だちとの外遊び、学校での委員会活動や部活動をよくしていた人はへこたれない力が高い。
〇 子供の頃、家族との愛情・絆が強かった人、遊びの熱中度や学習意欲が高かった人はへこたれない力が高い。
〇子供の頃、親や先生、近所の人とのかかわりが多かった人はへこたれない力が高い。
〇周りの大人から褒められたり、叱られた経験が多かった人はへこたれない力が高い。
これはレジリエンス(精神的回復力)にもつながる部分です。困難や逆境を乗り越えていける「へこたれない力」を作るにも、親や周りの大人からの働きかけや子どもとの関わり、子どもを取り巻く環境が大きく影響していることが分かります。
これからの時代、子どもがへこたれない力(レジリエンス)を持てるようにするには、その土台になくてはならないのが自己肯定感です。さらに一番大事なことは、関わる大人の自己肯定感が高くなければ、子どもの自己肯定感に良い影響を与えることは難しいということです。
そのためにも、親自身の自己肯定感を確認して、高めていきながら、子どもとの関わりをよいものにしていただければと思います。
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