自信過剰や傲慢な人、自分さえ良ければいいという自分勝手な人が、自己肯定感が高いと思っている人が少なくありません。自己肯定感を高め過ぎてもよくないと考えている人がいますが、それは自己肯定感に対する間違った解釈からきています。
態度が大きい、横柄な様子が自信があるように見えますが、このような人は、決して自己肯定感が高いのではなく、むしろ低い人の特徴と言えます。それは自分に自信がないからこそ、自分を守るために自己防衛をしている姿なのです。
しかし、この特徴を自己肯定感が高いと勘違いしている人がいるのも事実です。「自己肯定感を高めて自信を持つことは傲慢さとイコールであるから自分は自己肯定感という言葉が嫌いだ」と言われていた有識者もいらっしゃいました。これは明らかに誤解しています。
また、自己肯定感の大事な感覚である「ありのままの自分を認め受け入れる」ことをうぬぼれること、このままでいいと開き直ったり、自分を甘やかし自己憐憫に浸ること、妥協してあきらめること、努力しないで成長を止めてしまうことだと思われている人もいます。これも自己肯定感に対しての間違った認識です。
自己肯定感とは、自分のありのままを認め、その自分を大切に思うことですが、それは、自分の長所だけではなく、自分の短所も含めて、どんな自分も受け入れて、自分の存在を承認できる感覚のことです。
ありのままの自分を認めるということは、他者と比較して自分が優位にあるという評価、または他者からの直接的な評価を受けることで高まるものではありませんし、そこには自分を責めたり、自己憐憫の眼差しも入っていません。自分の現状をあるがまま受け止めるとは、そこにはいい悪いの評価は必要なく、ただそのままの自分を客観的に認識するプロセスなのです。
また自己愛の強い人が、自己肯定感が高い人だと誤解されるケースがありますが、現実以上に自分が有能だとうぬぼれる、それをアピールして相手に称賛を求める、ナルシストのように自分にしか興味を持たないというのは間違った自己愛ですし、自己肯定感が高い状態ではありません。
本来健全な自己愛を持っている人は、自己価値を保つために、他者に評価や称賛を求めたりしませんし、得られないからといってひどくがっかりしたり、それを得ようと自分を正当化するために躍起になったり、横暴なふるまいをすることもありません。
これらは自己肯定感が低いことで傷つきやすい自己を守る行為と同じです。真の自己愛とは、自分を愛するように、他者も愛せること、そして自分を尊重するように他者も尊重できるということなのです。
自己肯定感が高い状態にあれば、自分を自分以上に見せる必要はありませんし、自己卑下や過度の謙遜をする必要もありません。自分が攻撃されるのではという脅威にさらされることもないので、自己保身に走ることは極めて少なくなります。
自然体で自分らしく、あるがままの自分を受け入れ、その自分と良好に関係が保てているからこそ、安心して他者とも関われます。また、自分に改善したいところがあれば、自己否定感からではなく、自分の真の意欲とともに行動につなげていけます。感情は安定して、何事にも意欲的になり、根本的なところで自己を信頼できるからこそ、いつも穏やかに今を生きていけるのです。
そして、自己肯定感が持てると自己受容から自分に優しい眼差しが向けられます。それはそのまま他者にも同じように優しい眼差しが向けられることを意味しています。自分を許せるからこそ、他者にも寛容になれます。
すべて自分が基点となり、自分が身を置く世界をつくります。自己肯定感を高めていくことは、ありのままの自分を認め受け入れ、そこから、安心感とともに、自分の成長サイクルへと自ら動機づけられることなのです。
ですから、安心して自己肯定感を高めてください。
【参考文献】
「職場の人間関係は自己肯定感が9割」工藤紀子著
【開催講座内容】|【メンタルマネジメント講座】|【ベーシック講座】|子どもの自己肯定感を上げるなら」
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