愛着形成と自己効力感

公園でこのような場面を見たり、経験したりしたことはありませんか?

最近自分で歩けるようになった小さな男の子がママと一緒に公園に遊びに来ています。男の子は目をキラキラさせてすぐにでも走り出したい様子。ママが手を離すと、大きな木のところに一目散に走っていき、葉っぱを拾って意気揚々とママのところに駆けてきます。夢中で走っていたので途中で転んでしまいました。泣きながらママのもとにきて葉っぱを見せています。ママに優しく声をかけてもらい、泣き止んだところで、男の子は滑り台の方へまた元気に走っていきました。
男の子は転んで泣いても、ママのもとに戻れば元気になれることを知っているのでしょう。そして、ママは僕を慰めてくれるという確信もあるからママのところに戻ってくるのです。男の子はママという安心の場があることで次へのチャレンジができるのですね。

このような特定の人との絆を愛着と言い、乳幼児期の発達の基礎となります。
愛着が具体的に行動としてみられるのは、生後半年ぐらいからです。特定の人にだけ泣いたり、笑ったりするようになり、見知らぬ人を怖がったりします。いわゆる人見知りですね。この特定の人というのが愛着対象であり、主にママやパパになりますが、おばあちゃん・保育士、など育つ環境でも変わってきます。2,3歳頃になると、ママやパパがいなくても心にママ達を思い浮かべることができるようになり、離れていても安心感を得られるようになります。ママ達が子供を受け止め、また送り出すことを繰り返すことで、愛着は自然に心に刻み込まれ、その後の発達に関係していきます。

愛着形成がされていると、自分に対して自信を持てるようになります。自分にとって悪い状況になったときに“自分が行動すること(赤ちゃんの場合は泣くことなど)で状況は良い方向に向かっていく”と思えるのです。つまり、自己効力感ですね。また、他者に対する信頼感も得ることができます。悪い状況でも自分が行動すれば、“ママ達はきっとこの状況を改善してくれる”と信じるようになります。ママ達との信頼関係は成長につれ、他者への信頼関係に繋がっていきます。

子供はこのようにして自己効力感と他者への信頼感を強くし、成長していきます。
子供の頃は持っていた“自分が行動すれば良い状況になる”という自己効力感、大人になった今はどうでしょうか。もし、今、自己効力感を感じられないとしても自己肯定感を高めることによって再び得ることはできます。子供の頃のように好奇心にあふれ、たくさんの事にチャレンジしてきた感覚をもう一度取り戻してみてはいかがでしょうか。

(文責:須田 彩

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