多様性が生む強さ

「多様性を認めること、受け入れることが重要な社会になる」と言われるようなって久しいですが、スポーツ界では多様性を受け入れることによって、素晴らしい成果を上げている分野が少なくありません。

例えば、先のラグビーワールドカップでは、日本代表メンバーは日本、韓国、トンガ、南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、サモアと国際色豊かな構成でした。それぞれの国の文化やルールを各々が受容することでワンチームとなり、初のベスト8を達成し私たちを感動させてくれました。

また、男女ともに世界ランキング上位に位置するバドミントン日本代表選手達。監督は韓国の朴柱奉(パク・ジュボン)氏で、彼を含めてコーチはインドネシア出身のコーチなどで構成されています。朴監督は就任当時「日本の選手は技術は十分ある。でも勝ちたい意欲がない」と精神面から勝利への意欲を伝えていったそうです。

他にも卓球、陸上、バスケットボール、サッカーなどスポーツ界では多様性が進んでいます。

今迄と違う思考や行動が多様性によって生み出されると、様々な部分で変化が生まれるからだと考えられていますが、では、皆さんの職場は如何でしょうか?

マッキンゼーによる12か国1,000社の調査(2017年)によると、性別多様性(女性CEOなど)の面で上位25%にある企業は、下位25%にある企業よりも利益面で21%高い業績を上げていて、民族的多様性の高い経営陣の企業は、33%が同業他社よりも収益性が高い傾向にあることが分かりました。

性別多様性では、企業幹部の女性割合はオーストラリアは21%、米国は19%、英国は15%です。業績の良い企業では女性幹部が多いことを考えると、これらの国間の格差は興味深いものです。

民族的および文化的多様性では、南アフリカがエグゼクティブポジションの16%が黒人ですが、南アフリカの人口は79%が黒人であることを考えると少々低い数字に感じるかもしれません。ただ、南アフリカの複雑な歴史を考えると、多様性を認めていると考えて良いと思います。南アフリカに続き、シンガポール、英国、米国も、幹部の11〜12%は民族的に多様なスタッフになります。

性別、民族性、文化的多様性を認めるために「必須」となるのが、まず自分自身を認める力です。自分の価値を認めることができないと、多様性を認める上でデメリットと言われる「対立や誤解」「ハラスメントの発生」などを避けることができません。そのことからも自身の自己肯定感を高め、相手の存在価値を認めることが、これからますます進むグローバル化の中で必要とされるといえるのではないでしょうか。

自分を認めるとは、自分の得手不得手、何が出来て何が出来ないかなども含め、自分を知り客観視して認識することです。それができると、自分と他者の個性や役割を認め合いながら、できないところはできる人にやってもらい、お互いの良さを生かしながら協働体制をとることで、職場や学校、家庭でも、先のラグビー日本代表チームのように、多様性を生かして素晴らしい結果を出すことができるのです。

(文責:工藤洋一

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