私たちが日々生きている中で、一番恐れているものは何でしょう?
多くの人は「失敗をしたくない」と思っています。
そこには「誤った判断をしたくない」「間違いたくない」という思いも入ります。
私たちは、自分が失敗をしたり、うまくいかなかったり、間違ってしまうと、自分を責めてしまいます。
一方で、「他人の判断ミスなら大目に見ても、自分が判断ミスをしてしまうと、大げさに受け止めて、自分を過小評価してしまう」そのような傾向はないでしょうか?
なぜ、こんなに私たちは自分が間違いをすることを避けたいと思ってしまうのでしょう?
そこには自己肯定感が影響しています。
自己肯定感が持てていないと、失敗や間違いを避けることで、自己価値を保とうとします。すると、失敗や間違いは絶対的に避けなければならないのです。なぜなら、回避できないと、一気に自己価値が下がり、自分の過ちに対する罪悪感や良心の呵責、後悔の感情に苛(さいな)まれてしまうからです。
「失敗しないこと」「過ちを犯さないこと」が自己価値を測る目安になっているので、「間違うこと」や「失敗すること」を許せません。
私たちは「常に間違わずに正しい判断や、正しい決定をしなければならない」と思っていますが、常に成功をして、常に正しい判断や正しい決定をするということは可能でしょうか?
それはどんなに気を付けていても、困難や不測の事態は起こります。
その時知り得た選択肢の中で、最小の障害で、最大の成果をあげることができるような行動を選びますが、完璧に遂行できるとは限りません。
では、私たちは、失敗も間違いに対して、どのような受け止め方をすればいいのでしょう?
ここで「自己肯定感を高めるためのマインドセット」です。
*「失敗してもいい」「間違ってもいい」と自分に許可する
結果的にどんな事態になっても、私たちはそのときの知識に基づいて、その状況における最も賢明な、最善の選択をしていたはずです。
その状況の中で、失敗したとしても、それは必ず次の糧になります。失敗したことで、それ以外の方法に目が向くようになり、成功に一歩近づいたと思えればいいのです。
私たちは、実はそんなに沢山の失敗をしているわけではありません。これまでの自分があるのは、自分がしてきた多くの正しい決定があったからこそです。そこにも目を向けて、自己価値を感じてみましょう。
自分にそれらを許可できると、自分を責めなくなります。すると、人にも寛容になれるのです。
*「完璧であらねば」を手放す
あなたは完全無欠や完璧である必要はないのです。逆に「完璧であらねば」を手放すと、失敗してはいけない、間違ってはいけないというプレッシャーが減り、緊張が解けるので、かえって失敗や間違いをしにくくなります。
それだけで、人生からかなりのストレスと不安を取り除くことができるのではないでしょうか?
*失敗や間違いをしたら、それを素直に認める
自己肯定感が低いと自分を正当化する必要があるので、なかなか間違いや失敗を認められません。ついつい自己防衛をしたくなってしまいます。
失敗や間違いを犯しても、あなたの価値は変わりません!
それが分かれば、間違いや失敗があなたの価値を傷つけることはなくなります。すると、間違えたらそれを認めることも容易になるのではないでしょうか?
「間違えたら、謝る」という、シンプルなことも容易になるはずです。
自分の失敗や間違いを認められることは素晴らしいことです。そこに自己肯定感が大きく影響しています。
ただし、自己肯定感が高くなれば、失敗や間違いをしなくなるということではありません。
「失敗」や「間違い」が自分の価値に影響しないと思えるからこそ、安心して物事に取り組めるのです。失敗しても、そこから何かを学び、次に生かそうという気持ちが生まれてくるのです。
上手くいっても、うまくいかなくても、それを自分の成長につなげていけるのが「自己肯定感」です。
日本セルフエスティーム普及協会では「自己肯定力」を高めるスキルを専門的にお伝えしています。
(文責:代表理事 工藤紀子)