自己肯定感を高めるマインドセット(2)たとえ完璧でなくてもあなたの価値は変わらない | 一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会

自己肯定感を高めるマインドセット(2)たとえ完璧でなくてもあなたの価値は変わらない

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完璧主義の傾向にあると、どれだけ努力しても、うまくできても「まだ不十分」と考えてしまいます。又、上手くいっていることがあっても、一つでも上手くいかないことがあると満足できません。

自分でよりよくなろうと絶えず頑張っても、なかなか自分にも、他人にも満足することができない、と感じることがあるとしたら、あなたも完璧主義の傾向があるのかもしれません。そうなると、自分がやることに対して常にちゃんとできているのか、不安になりやすく、なかなか自分に対しての自信が持てないことがあります。そのような状態では日々を楽しく生きることは難しくなります。

あなたにも、そんな経験はないでしょうか?

完璧主義になるのは、子どもの頃の親からの影響も考えられます

親が子どもに対して、子どもの年齢に適した基準ではなく、親の基準によって、子どもに能力以上のものを要求、期待してしまうとき、子どもは親の期待に応えることはできません。その場合、子どもが、何をするにしても、何かをどれだけうまく成し遂げても、親は自分の基準で判断するので、子どもの成果に満足できないのです。このようなとき、子どもは親の失望を感じ、子どもの中にある「親を喜ばせたい、親から認めてもらいたい」という思いばかりが駆り立てられ、それを満たすために、「もっともっと頑張らなければ」と自分を追い込んでいきます。

これは親の完璧主義が子どもに影響を与えている例です。

完璧主義の親は、子どもに自分が求める完璧を求め、子どもの限界を無視し、子どもに非現実的なことを期待しがちです。なぜなら、親自身の自己価値が子どもの能力や成果によって左右されているからです。

その影響で子どもは「完璧という天井のない理想」を追い求め続けなければならず、今度は、大人になっても、自分にいっこうに満足することができなくなります。

大人になっても、かつて親が自分にしたように、自分の中にもうひとりの監視者を置き、自分を批判します。すると自分を条件付きでしか認められず、その条件が「完璧であること」なので、ほとんど自分を認めることができなくなってしまうのです。

ではなぜ、完璧主義になるのでしょう?

それは、そこに自己価値が絡み、自分をどれだけ完璧であるかという基準で、自分の価値を判断しているからです。

完璧主義の傾向が強い場合、自分に満足することはほとんどありません。他者にも満足するのは難しいのです。常に自分の欠点や不完全であるところに目が向き、自分を好きになれません。他者に対しても同じように感じます。ありのままの自分に価値を感じることができないために、自己肯定感は低いままです。完璧であることはめったにあり得ませんから、自分にも、他者にも満足せず、不足感や不満といつも隣り合わせの状態です。

では、完璧主義で人生は楽しくなるでしょうか?

ここで「自己肯定感を高めるためのマインドセット」です。

あなたが完璧主義だとしたら、それはほとんど後天的なものと考えてください。

ですから、そこは変えていくことができるのです。

では、なぜこれまで完璧であろうとしてきたのでしょう?

完璧主義でがんばってきた人の本当の目的とは?

小さい頃に親から与えられなかった愛を、今なお、自分が完璧を目指すことで、得ようとしてはいなかったでしょうか?

完璧であれば、人に認めてもらえる、又、人に承認してもらえるかどうかの物差しが完璧さになっていなかったでしょうか?

親を喜ばせるために、認めてもらうために、完璧であらねばと、自分に課してはこなかったでしょうか?

もしそうだとしたら、このように自分に言い聞かせてあげましょう。

子どものころに得られなかった親からの承認を得るために、完璧を目指し、自分の存在価値や正しさを確認しようとしているのだとしたら、もうそれは必要ないのです。

あなたが完璧であろうと、なかろうと、あなたの存在価値とは関係ありません。

何かを完璧にこなす能力と、あなたの人としての価値を関連付けるのはやめましょう。

あなたの存在価値は、何かがうまくできる、できない、で決まりません。

たとえ、何かを中途半端に終わらせたとしても、仕事で失敗したとしても、あなたの人としての存在価値が下がるわけではないのです。

完璧でなくていいのです。

人としての価値は、物事を完璧に成し遂げる能力とは関係はありません。

あなた自身を無条件で認め受け入れてあげましょう。

親からもらえなかった承認を、今の自分にしてあげましょう。

完璧主義を緩(ゆる)める現実的な方法

*あらかじめ、どの程度までできれば「これで十分だ」と言える基準を決めてみましょう。

*出来ていないところ、欠けているところではなく、「出来ていること」や「あること」に意識を向けていきましょう。

*これまで、十分がんばってきた自分を心からねぎらってあげましょう。

完璧でなくてもあなたの価値はかわりません。完璧であることと、自己価値を関連付けることがなくなると、自分に対しても、他者に対しても好意的に見られるようになり、自己肯定感を高めていけます。
まず「完璧主義をゆるめていい」と、そう自分に許可することから始めてみてはいかがでしょう?

(文責:代表理事 工藤紀子)

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