自己肯定感が低いと、なぜストレスに弱くなるのか?

「同じ出来事なのに、なぜあの人は平気そうで、私はこんなに苦しいのだろう…」

仕事で注意を受けた時。
人間関係がうまくいかなかった時。
失敗した時。
予定外の出来事が起きた時。

同じようなストレスを受けても、
比較的早く立て直せる人もいれば、
深く落ち込み、長く引きずってしまう人もいます。

その違いを生みやすい大きな要因のひとつが、
「自己肯定感(セルフエスティーム)」です。

自己肯定感とは、
「私は私で大丈夫」
「うまくいかない時があっても、私の価値そのものがなくなるわけではない」
と、自分の存在そのものを認められる感覚です。

つまり、自己肯定感は、
心にかかるストレスをゼロにするものではなく、
ストレスを受けた時に、
必要以上に自分を壊さないための“心の土台”なのです。

反対に、自己肯定感が低い状態では、
ストレスそのものよりも、
「ストレスを受けた自分の受け止め方」

が苦しさを増幅させやすくなります。

例えば、上司から
「この資料、もう少し改善できるね」
と言われた時。

自己肯定感が比較的安定している人は、
「改善点があるんだな。次に活かそう」
と受け取りやすい一方、

自己肯定感が低い人は、
「私はダメだ」
「期待に応えられなかった」
「能力がないと思われた」

と、“出来事”ではなく“自分の価値そのもの”
を否定されたように感じやすいのです。

すると、
必要以上に落ち込む
失敗への恐怖が強まる
挑戦を避ける
人の評価に敏感になる
慢性的な不安状態になる

という悪循環が起こりやすくなります。

つまり、
ストレス耐性が低いというより、
ストレスを「自己否定」に変換しやすい状態とも言えます。

実際に、自己肯定感が低い方の中には、
こんな悩みを抱えている方が少なくありません。

・些細な一言を何日も引きずる
・人にどう思われたかが気になって眠れない
・失敗すると「もう終わりだ」と感じる
・頼まれると断れず、自分を後回しにする
・頑張っても「まだ足りない」と感じ続ける
・疲れていても休むことに罪悪感がある

この状態が続くと、
心は常に緊張し、小さな出来事でも
大きなダメージとして受け取りやすくなります。

その結果、
心身の疲弊、燃え尽き、人間関係の悪化、
さらにはメンタル不調にもつながりやすくなります。

では、どうすればよいのでしょうか?

大切なのは、
「ストレスをなくすこと」だけではなく、
“ストレスを受けた時の自分との向き合い方”を変えることです。

まず必要なのは、
「出来事」と「自分の価値」を切り分けること。

例えば失敗した時、

「失敗した」

「私は価値がない」
は、全く別です。

ですが、自己肯定感が低いと、
この2つが結びつきやすくなります。

そこで意識したいのが、

“私は失敗することがあっても、失敗そのものではない”

という視点です。

これは、自分を甘やかすことではなく、
必要以上に自分を傷つけないための考え方です。

次におすすめしたいのは、
自分への声かけを見直すこと。

ストレス時、人は無意識に自分に言葉をかけています。

「なんでこんなこともできないの?」
「またダメだった」
「私なんて…」

この“心の中の言葉”が、
さらにストレスを強めます。

だからこそ、

「今、私は頑張っている」
「失敗しても学べる」
「今日は疲れているんだな」

と、自分を追い詰める言葉ではなく、
理解する言葉に変えていくことが重要です。

また、日々の中で意識したいのは、
「自分を回復させる習慣」を持つこと。

例えば、

・十分な睡眠
・深呼吸
・一人になれる時間
・小さな達成感
・信頼できる人との会話
・“できたこと”を書き出す習慣

自己肯定感が低い方ほど、
「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込みがちですが、

実は、回復力を高める人ほど、
“頑張る”だけでなく
“整える”ことを大切にしています。

ストレスに強い人とは、
ストレスがない人ではありません。

ストレスを受けても、
「私は大丈夫」と、
自分を支える力がある人です。

人生には、
失敗も、人間関係の悩みも、
思い通りにいかないこともあります。

だからこそ必要なのは、
傷つかない心ではなく、
傷ついても立ち直れる心の土台。

その土台こそ、
自己肯定感です。

もし今、
「最近ちょっと疲れやすい」
「人の言葉に必要以上に揺れてしまう」
「頑張っているのに心が休まらない」

そんな状態なら、
それは、あなたが弱いからではなく、
心の土台が少し疲れているサインかもしれません。

まずは、
自分を責めるより、
自分を支えることから。

自己肯定感は、
ストレスをなくす魔法ではありません。

でも、
ストレスに押しつぶされにくくする、
人生を支える“心の基礎体力”になります。

今日、あなたは自分に、
どんな言葉をかけますか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も、あなたらしい一日をお過ごしください。

次回のメルマガも、どうぞお楽しみに。

日本セルフエスティーム普及協会
代表理事 工藤紀子

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工藤紀子 代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。32年以上にわたり自己肯定感(セルフエスティーム)の研究と実践に取り組み、日本人の特性に最適化した独自メソッドを開発。

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