「褒める」だけでは、自己肯定感は育たない?

「たくさん褒めているのに、自信がなさそう…」
「頑張って育てているのに、失敗を極端に怖がる」
「褒めないとやらないけれど、褒めても自己肯定感が高い感じがしない」

子育ての中で、
こんな悩みを感じたことはありませんか?

近年、「子どもは褒めて育てよう」
という考え方が広まりました。

もちろん、認められる経験は大切です。

しかし実は、“褒めるだけ”では、
本当の自己肯定感が十分に育ちにくいことがあります。

なぜなら、褒め方によっては、
子どもが「結果を出した時だけ価値がある」
と受け取りやすくなるからです。

例えば、
「100点すごいね!」
「一番だったね!」
「いい子だね!」
「ちゃんとできて偉い!」

これらは一見ポジティブですが、
子どもによっては、

「できない私はダメ?」
「結果が出ないと認めてもらえない?」
「失敗したら価値が下がる?」

と、“条件付きの価値”として
受け取ってしまうことがあります。

すると、褒められるために頑張る
失敗を恐れる
評価がないと不安
他人と比較しやすい

という、
他者評価依存型になりやすいこともあるのです。

もちろん褒めること自体が悪いわけではありません。
大切なのは、「何を承認しているか」です。

ここで重要になるのが「存在承認」。

存在承認とは、
成果や結果だけでなく、

「あなたがいること自体が大切」
「できても、できなくても、大事な存在」
「そのままのあなたにも価値がある」
というメッセージです。

つまり、
“何かを達成したから価値がある”ではなく、
“存在そのものに価値がある”
という土台です。

この土台がある子ほど、
挑戦しやすく、失敗しても立ち直りやすく、
非認知能力(やり抜く力、感情調整、自己制御、主体性)も
育ちやすいと言われています。

では、年齢別にどのような関わりが大切なのでしょうか?

【幼稚園期】

この時期は「自分は愛されている」「安心していい」
という感覚が土台になります。

大切なのは、
スキンシップ、笑顔、共感、存在そのものへの歓迎

例えば、
「できたね!」だけでなく、
「一緒にいて嬉しいよ」
「生まれてきてくれてありがとう」
「失敗しても大丈夫だよ」

幼少期は、家庭が
“安心安全基地”になると
その後の挑戦力を支えます。

【小学校期】

この時期は、比較や評価が増え始めます。

だからこそ、結果だけでなく、
過程承認が重要です。

「100点すごい!」だけでなく、
「難しかったのに頑張ったね」
「工夫していたね」
「昨日よりできるようになったね」

“他人比較”より“自分の成長”を見る関わりが、
主体性ややり抜く力を育てます。

【中学校期】
自己意識が高まり、友人関係や評価に敏感になります。

この時期は、正論より共感。

「そんなことで悩まないの」より、
「そう感じたんだね」
「それはつらかったね」
「あなたはどうしたい?」

“気持ちを理解される経験”が、
自己理解と感情調整力につながります。

【思春期】

「自分とは何者か?」を模索する時期。

反抗的に見えても、心の奥では、

「私は大丈夫?」
を確認しています。

この時期は、管理しすぎるより、
尊重が大切です。

意見を聞く
選ばせる
失敗も学びとして扱う

「あなたならどう考える?」
という関わりが、
自己決定感を育てます。

では、意欲や非認知能力を高めるために、
日常で何ができるのでしょうか?

ちょっとしたヒントをお伝えします。

1) 結果だけでなく過程を見る
→ 「頑張った過程」「工夫」「挑戦」を言葉にする

2) 感情を受け止める
→ 「悔しいね」「悲しいね」と感情を否定しない

3) 比較より成長
→ 兄弟・友達比較より、その子自身の変化

4) 小さな自己決定
→ 服、順番、方法など選ぶ機会を増やす

5) 失敗=学び
→ 「次どうする?」と再挑戦視点を持つ

本当の自己肯定感とは、
「私は何でもできる」
と思うことではありません。

“できない時も、失敗しても、私は大丈夫”
と思えること。

そのためには、
「褒める」だけでなく、
“あなたは存在そのものが大切”という、
存在承認の土台が必要です。

子どもは、
評価だけで育つのではなく、
“どう存在していいか”で育ちます。

だからこそ、
今日からできることは、
「すごいね!」に加えて、

「いてくれて嬉しい」
「あなたらしくていいね」
「そのままでも大切だよ」

そんな言葉を、
日常の中に少し増やしてみること。

褒めることは、
子どもの翼になることがあります。

でも、存在承認は、
その翼を安心して広げられる“土台”になります。

子どもが、
評価に振り回されるだけでなく、
自分らしく挑戦できるように。

その自己肯定感は、
家庭の中の小さな言葉から、
少しずつ育っていくのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も、あなたらしい一日をお過ごしください。

次回のメルマガも、どうぞお楽しみに。

日本セルフエスティーム普及協会
代表理事 工藤紀子

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工藤紀子 代表理事
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事。32年以上にわたり自己肯定感(セルフエスティーム)の研究と実践に取り組み、日本人の特性に最適化した独自メソッドを開発。

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