「最近の子どもはなぜ自信をなくしやすいのか?」― 思春期に自己肯定感が下がりやすい本当の理由 ―

「最近、うちの子、自信がなさそう…」
「前よりも笑わなくなった」
「周りと比べて落ち込みやすい気がする」
思春期の子どもを見ていて、
そんな変化を感じる大人は少なくありません。
小学生までは比較的素直だった子が、
中学生頃から急に自分を否定的に見たり、
「どうせ自分なんて」と言ったりする。
実はこれ、
本人の性格だけではなく、
思春期という時期そのものが、
自己肯定感が揺らぎやすい時期だからです。
国立青少年教育振興機構の調査では、
「今の自分が好き」と答える割合は
全体では改善傾向がある一方で、
学年が上がるにつれて低下し、
特に小学校高学年から中学生にかけて
落ち込みやすい傾向が示されています。
なぜ、思春期は自己肯定感が下がりやすいのでしょうか?
大きな理由のひとつは、
“比較”が急激に増える時期だからです。
学力
運動能力
容姿
友人関係
SNSの反応
所属グループ内での立ち位置
子どもはこの時期、
「自分とは何者か?」を探し始めます。
心理学ではこれを
アイデンティティ形成(自己同一性の確立)
と言います。
つまり、
「私は誰なのか」
「どんな価値があるのか」
を模索する大切な時期です。
しかし現代は、
この“自分探し”が、
かつてないほど難しくなっています。
その背景のひとつが、
SNS・動画文化による“常時比較社会”です。
昔は比較対象が学校や地域中心だったものが、
今は全国、時には世界レベル。
「もっと可愛い子」
「もっと人気のある子」
「もっと成功している子」
がスマホ一つで見えてしまう。
内閣府や自治体資料でも、
スマートフォンやSNS利用の拡大とともに、
比較・孤立・不安感の増加が課題として示されています。
すると、
思春期の子どもは、
本来は成長途中で当たり前の
「まだできない」
「まだ定まっていない」
状態なのに、
“今の未完成な自分”を、
“誰かの完成形”と比べてしまう。
これが、
自己肯定感を下げやすくします。
さらに、学校社会は
評価が可視化されやすい環境です。
テスト順位
部活
友人関係
先生からの評価
進路
評価される機会が増えるほど、
「できた自分=価値がある」
「できない自分=価値がない」
と誤解しやすくなります。
その結果、
・失敗を極端に恐れる
・不登校傾向
・SNS疲れ
・自己否定
・人間関係不安
・将来への無力感
といった課題につながることがあります。
実際、こども・若者調査でも、
安心できる居場所や相談相手の有無と、
自己肯定感・幸福感には関連があることが示されています。
つまり、思春期の子どもに必要なのは、
「もっと頑張らせること」だけではなく、
“比較や評価だけではない、自分の価値を感じられる土台”です。
では、周りの大人は何ができるのでしょうか?
まず大切なのは、
結果だけでなく、存在そのものを認めること。
「いい成績だからすごい」
だけでなく、
「頑張っていたね」
「悩んでいるんだね」
「あなたの気持ちは大切だよ」
という、“存在承認”です。
思春期は、
反抗的に見えても、
心の奥では
「自分は大丈夫なのか?」
を確認しています。
だからこそ、
評価より先に、
安心を与える言葉が重要です。
次に、
すぐに正論で返しすぎないこと。
「気にしすぎだよ」
「もっと頑張ればいいじゃない」
こうした言葉は、
大人に悪気がなくても、
「わかってもらえない」
と感じさせることがあります。
大切なのは、
解決より先に共感。
「そう感じたんだね」
「それはつらかったね」
この一言が、
子どもの心の安全基地になります。
さらに、比較ではなく
“その子自身の成長”を見る視点も重要です。
昨日より少し話せた
前より少し挑戦できた
自分なりに頑張った
こうした“自分軸”を育てることで、
他人軸だけで揺れにくくなります。
日常でできる具体策としては、
・1日1回、否定しない会話
・スマホ/SNSとの付き合い方を一緒に考える
・安心できる家庭内対話
・失敗談を大人自身も共有する
・「あなたはどう思う?」と主体性を促す
思春期の子どもたちは、
未熟なのではなく、
“自分をつくっている途中”です。
だからこそ、
揺れるのは自然なこと。
大切なのは、揺れた時に、
「戻ってこられる安心の場所」があることです。
自己肯定感とは、
何でもできると思うことではありません。
「悩んでもいい」
「失敗しても大丈夫」
「比べても、私は私」
そう思える心の土台です。
思春期は、
その土台が試され、育つ時期。
だからこそ、
周りの大人の関わり方ひとつで、
子どもの未来の“自分との付き合い方”は大きく変わります。
評価される前に、比べる前に、
「あなたは、あなたのままで大切だよ」
そのメッセージを、
日々の中で届けていけたら、
思春期は、自己肯定感が下がるだけの時期ではなく、
“本当の自分”を育てる大切な時間にもなっていくのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も、あなたらしい一日をお過ごしください。
次回のメルマガも、どうぞお楽しみに。
日本セルフエスティーム普及協会
代表理事 工藤紀子
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JISEは、32年の研究と独自メソッド「ラブマイセルフ・メソッド®」で、
揺るがない自己肯定感の土台を育てる講座を提供しています。













