気になる人がいると、本人よりもその親ごさんに興味を持ってしまいます。
成功は本人の才能や努力によるのは勿論ですが、ベースにあるのが親の教育や考え方(ポリシー)が影響している事が多いからです。
今年に入り、ずっと気になっていたのが「俺か俺以外か」のROLANDさん。
ホストという職業に対してどんな感情を持っているかは人それぞれですが、3月11日に出版された「俺か俺以外か。ローランドという生き方」(KADOKAWA)のプロローグを見ると、常識にとれわれない、独自ルールを守る意思の強さがうかがえます。
高校では帝京高校でサッカー漬けの毎日を送り、当時の目標は全国大会で優勝することだったが、残念ながら夢破れ、そのまま大学に推薦入学。入学式当日に「ここは俺の居場所じゃない」と感じ、数日後に大学を辞め、その帰り道に昔から頭の片隅にあったホストという道を目指すことにした。
ホスト一年目は、全く売れる事もなく、食事は一日コンビニのパン一食だったが、常に「俺がホスト業界を変える」「伝説を作ってやる」と考え、当時の歌舞伎町の最年少記録を次々に塗り替えていった。
2014年には、売掛をやらない、より良い接客の為にアルコールは飲まない、といった今迄の常識とは真逆の独自ルールで接客をし、2015年頃からメディアでナンバーワンホストとして紹介されるようになったものの、2018年12月には、現役ホストを引退し、次のステージへ進む。
ローラーンドさんの父親は有名アーティストと仕事をすることも多かったミュージシャンだったようです。その父親のポリシーがぶれていません。
それがうかがい知れるエピソードがあります。ローランドさんが小学校の時、好き嫌いが多く給食が完食できないのを見かねた教師が電話をかけてきました。その電話に出た父親は「好き嫌いが多い? なんでも好きだとか、どっちでもいいって言う人間の好きっていう言葉に、いったいなんの価値がありますか? 嫌いなものを、しっかりと嫌いと言えない男にはなるな。そう教えています」と言って電話を切りました。
同じ内容の電話を受けた時「沢山食べないと大きくなれないよ!」「少しずつでも食べてごらん」「なんで残すの?」と子どもの気持ちを考慮せず、自分の意見だけを子どもに伝えてしまう親御さんも多いのではないでしょうか。
学校や教師側にとっては決して扱いやすい親子ではなかったかもしれませんが、ローランドさんが、プロローグにあるような自分の哲学を持つようになったのは、自分の哲学に忠実、自分の主張は絶対に曲げない父親の姿を幼少期から見て育ち、その父親から「全肯定」されて育った影響が大きいはずです。
自分は愛されている、自分はこのままで大丈夫という感覚を持つと、安心感をベースにして様々な事にチャレンジすることが出来るようになりますが、「子どもに対しては全肯定ではあるものの、親の都合による甘やかしではない」ということが重要なのだと思います。
残念ながら他人の哲学やルール、価値観に縛られて、そのルールを子どもや家庭に当てはめてしまい、親自身も、子どもも同時に生きにくなってしまっているケースが少なくありません。「ミュージシャンの家庭の話は、参考にならないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、今後、混迷を極める時代では、子どもが自分で自分の正解を見つけていけるかどうかが、子どもが将来生きていくうえで非常に重要になってきます。そこで、その土台を作るためにも、親が自己肯定感を持ち、子どもにも「自己肯定感」が高く育つものの捉え方、考え方、あり方をなどを示していくことがますます必要となっていくと考えられます。
(文責:工藤洋一)
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