怒りのコントロールができない人が引き起こす「あおり運転」をはじめ、家庭や学校、職場、そして電車の中や路上など、様々な場面で起こる暴力行為が社会問題になっています。
「アンガーコントロールトレーニング」を著したエマ・ウィリアムズとレベッカバーロウは、怒りをコントロールできない人の一般的な特徴に、「高いレベルの緊張」や「高い衝動性」、「共感性の乏しさ」、「低い欲求不満耐性」、「ストレスに対処することの困難」、「アサーティブネスの問題」とともに、「低い自己肯定感(セルフエスティーム)」をあげています。
「低い自己肯定感」が、孤独で他者から阻害され、他者から偏見を持たれていると感じやすくなるために、他者との関係に問題を抱えやすくなります。そこで自己価値を保とうとして攻撃的にふるまってしまうのです。
怒りのコントロールに問題をもつ人は自己肯定感が低い傾向が指摘されています。
攻撃的な人は、自分の行動に責任を持たず、たいてい他者のせいにして自分を正当化しようとします。
「相手が私をイライラさせる」「相手が悪い」から、相手を非難することによって、自分自身を納得させ、攻撃的行動を継続させますが、そうすることで自分の責任ではないことにして、自らの行動を変える必要がないと正当化するのです。
これは、自己肯定感が低いために、自分の攻撃的な(ネガティブな)行動に責任をとることは、結果として自己価値を脅かすことになると考えているため、責任を他者に転嫁することで自己価値を保とうとしているのです。
自己肯定感は、自分をどのくらい肯定的に見ているか、「自分が自分についてどう考えどう感じているか」によって決まる感覚のことです。
自己肯定感は自信の土台となり、効果的にコミュニケーションできるかに密接に結びついています。自己肯定感が持てていると、自己価値を感じられているので、他者からの承認を得ることを、それほど心配する必要がないため、どんなときも「自分自身でいる」ことができます。
しかし、自己肯定感が低いと否定的な自己評価をしているため、それが否定的な他者評価とつながり、他者から否定的に見られていると感じやすくなります。そのために他者から承認が得られないと過剰に反応し、それが攻撃的になり怒りとなってしまうのです。
怒りのコントロールが出来ない人は、傷つきやすさや安全でない感じから、自分を守るために、怒りを用いることが多く、この怒りは、自己肯定感の低さが原因となっているのです。
怒りのコントロールに問題を抱えている人は、とっさに怒りを抑える対処法も、時に効果はありますが、怒りの根本の原因となっている「自己肯定感」の低さを改善することが非常に重要なのです。
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*Anger Control Training by Emma Williams and Rebecca Barlow (アンガーコントロールトレーニング/エマ・ウィリアムズ、レベッカバーロウ著 /訳:壁屋康洋、下里誠二、黒田治)星和書店刊参照
(文責:工藤紀子)
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