自分を受け入れるということは難しいことでしょうか?
「自己肯定感」を高めるには、そのままの自分を認め受け入れる「自己受容」がとても重要ですが、私たちは、自分をあるがまま受け入れることはなかなか容易ではないようです。
それは、欠点やダメなところ、嫌いなところがある自分を受け入れることへの抵抗感からだったり、そのままの自分を受け入れることは、欠点や短所がある自分をあきらめて妥協することであり、それが自分の成長を止めてしまうと考えてしまうからでしょうか?
本来、私たちは長所も短所も両方あっての自分ですが、そこには、自分の良いところしか認めたくない心理とともに、短所や欠点を受け入れることは、今の自分のままで成長を止めてしまうことになり、そのままでは人から評価されなくなってしまうのではないかという「怖れ」が隠れていそうです。
又、自分を受け入れることを妨げている大きな要因の一つに、自分が人にどう思われているか、他人の目にどう映っているかを絶えず気にしていることもあるかもしれません。
あなたはいかがでしょうか?
周りにどう思われているかを気にしてしまうと、周りの評価に振り回され、悩みもどんどん増えてきます。
一方で、自分自身に厳しいジャッジを向けてしまう自分もいるのではないでしょうか?
あなたに批判の目を向けるのは、心の中のもう一人の批評家の自分です。
その批評家は、絶えずあなたをジャッジし、〇〇すべき、〇〇であってはいけない、と指示や命令をしたり、あなたに容赦ない批判を浴びせたり、あなたが何かをやろうとすると「失敗したらどうする?」「過去に失敗して大変な目にあったのだから、またそうなるかもしれないよ」「余計なことはしないほうがいい」と、あなたの内面の声となりあなたの勇気やチャレンジを阻み、励ましではなく、過去の失敗やうまくいかなかったことをあげつらい、こき下ろすのです。
この存在のあなたに語りかけてくるときのその内容は、あなたの考え方ではなく、小さい時の常に自分に命令や指示を与えていた母親や父親、影響力のあった教師や大人の考え方と酷似してはいないでしょうか?
実は、これが実体のない心の中のジャッジマン(批評家)の正体なのです。その影響力は絶大で、それがいかに自分にダメージを与え、破壊的な影響力をもっているかを自覚できるまで、その呪縛はなかなか解くことはできません。
そこを切り離さない限り、絶えず心の中の独り言となり、あなたのあら探しをして、自信を持たせてくれることはないのです。
内面でそのような批判を浴びせられるたびに、私たちがあるがままの自分を受け入れることを難しくし、躊躇させます。
自分の意志ではなく、そのジャッジマンに認められるために、時として無理な理想を設定したり、常に、自分に完全であることを強要して、それができないあなたに自信をなくさせているとしたら、そのジャッジマンをもうそろそろお役御免にする必要があるのかもしれません。
いかがでしょう?
心の中の声に苦しめられてきていませんでしたか?
他者の目が気になったり、人の評価が非常に気になって苦しいと感じることが多いとしたら、これからは、あなた自身が自分で考え、自分の決断を自分で応援し、自分を正解にしていく時期がきているのかもしれません。
周りからどう思われるかを絶えず気にしている状態というのは、実は自分の中にいる「批評家(ジャッジマン)」の目を常に気にしていたのです。
それは、これまで、あなたが何かを考え、行動し、決断をするとき、心の中の批評家のフィルターを通して、どう考え、どう行動し、どう決断をするかを決めていたということなのです。
それはまるで、親の目を絶えず気にして、親にどう思われるかを基準に行動する子どもの感覚と同じです。
ここで、自分に影のようにまとわりついていた「ジャッジマン(批評家)」をお役御免にするために大事なのは、どんなときも味方になりサポーターになるもう一人の自分の存在をつくることです。
そのサポーターとなるもう一人のあなたは、どんなときも共感と優しさと理解をもって、あなたの欠点を認め、不完全さも受け入れながら、あるがままのあなたを温かく理解しようとする視点であなた自身を見てくれる存在です。
心の中に批評家がいる!と思われる方はぜひ、この方法を試してみてください。
すると自分を受け入れるということが前よりもスムーズにできるようになると思います。
そして、これまであなたを牛耳っていたジャッジマンがそのあとも時々出てきても、その時は『これから私はもうあなたなしで大丈夫です!これまでありがとう!』と言って、あなたの「サポーター」優位にして、心の中のサポーターを味方につけて自己肯定感を上げていきましょう。
すると、あなたは誰におびえることなく、自分の欠点やダメだと思えるところ、未熟なところがあってもこれも自分なのだと、開き直りではなく、自分のそのままを受け入れられるようになるはずです。
(文責:代表理事 工藤紀子)
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