自己肯定力の養成に、私が向き合うことになったきっかけは、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」という本と映画で有名な、ビリギャルのモデルである小林さやかさんの講演を聞いたことにあります。
小林さんは、ビリギャルの主役は「自分ではなく母です」と話されました。
小林さんの妹さんは、一時期、不登校になっていたようですが、自分で思い立ってニュージーランドに留学し、その後、上智大学に合格されたとのこと。ビリギャルも妹さんも必要なときに決断し行動できたのは、自己肯定感を持つことが出来ていたからだというお話でした。小林さんのお母さんの性格、育て方が、小林さん姉妹の自己肯定感を育んだということでした。
一方、小林さんの弟さんは、高校野球の選手だったそうですが、野球が大好きなお父さんの指導と束縛が強く期待も大きすぎて、途中で耐えられなくなったそうです。
小林さんによると、当時の弟さんの自己肯定感はかなり低かったようで、今は少しずつ高くなり回復されているようです。
小林さんの講演を聞き、自己肯定感を育むことの大切さを実感しました。
「自己肯定感」という言葉、漢字を見ればなんとなく意味は分かるのですが、しっかり確認しようと調べていて、セルフエスティーム普及協会と出会うことが出来ました。
私は、自殺予防を目的とした電話相談ボランティアを20年以上続けており、多くの人たちのお話をうかがい、お悩みを受け止めてきました。
電話をかけてくる人たちの悩みは人それぞれで違いますが、ご自分のことや周りの人たちとの関係を受け止めることが十分に出来ていない人が多いように思います。
自己肯定力は、誰でもいつからでも高めることが出来るといわれています。
自己肯定力について学び、それを高める方法を知り、実践することで、ご自分の悩みを軽くしたり解決する道筋を見つけることが出来るよう、お手伝いさせていただきたいと思います。
フェイスブックページ fb.me/abe200310
[自分で自分をほめよう]
自然豊かな宮崎県えびの市に移り住んで10年以上になります。電力会社(技術職)在職中は、「あるべき姿」をキーワードとして仕事に完璧を求める上長の下で、徹底的に仕事で鍛えられるなど、自分の能力をフルに活用しつづける努力が必要でした。仕事は過酷な面もありましたが、面白みも感じられたので頑張り続けていました。
自分では良い仕事をして業績を上げていると自負していましたが、上長からは評価されず、昇進で後輩に追い抜かれたりして悔しい思いをしたこともあります。
ある時、右耳が聞こえていないことに気づきましたが、仕事が忙しかったし痛みもなかったので、病院に行ったのは3ヶ月ほど経ってからでした。その時、医者から告げられたのは、「あなたの耳は一生良くなりません」との厳しい言葉でした。突発性難聴は、聞こえなくなって数日中に治療を始めないと治らない病気とのことでした。
また、その頃から時折ふらつき感などを感じるようになりましたが、病院に行っても原因は分からないまま、時間は過ぎました。ふらつき感は少しずつ悪化し、体調によってはめまいのために歩くのが困難な状態になったりしました。大学病院で数日間にわたる精密検査をしても原因は分からず、メニエル症候群という診断で、めまいを防止する対症療法を続けました。めまいの頻度は多くはないのですが、めまいがいつ起きるか分からない不安がある中で、その後の数年間、何とか仕事を続けることが出来ました。
そして、母の体調が低下し余命が少なくなったタイミングで、母をいつでも看取れるようにと思い、早期退職を決断しました。
私の会社生活は、自分の能力以上のものを要求されているような気がして、辛いことも多いものでした。40代前半の頃は、毎晩のように、布団に入っては「今日も○○を出来なかった。」「もっと頑張れ。」などと、自分を責め反省ばかりしていました。
そんなある時、ある本を読んだことがきっかけで、気持ちが楽になりました。
福岡県篠栗町にある南蔵院という真言宗のお寺の、住職さんが書いたエッセイに「自分をほめよう」ということが書かれていました。1992年バルセロナ五輪女子マラソンで銀メダルを取った有森裕子さんが「自分で自分をほめたい」と話されたことを題材にしたものでした。
頑張ったことを一番知っているのは、自分自身だから、自分で自分をほめることが大切だということを、私は「そのとおりだ」と納得できました。
私は眠る前に布団の中で、「今日は○○は上手くできなかったけれど、一生懸命頑張ったね。いつかはできるようになりたいね」と、自分を認めほめるようにしました。
そうすると、以前よりも朝目覚めたときに、いやな気分ではなく「今日も頑張ろう」という意欲を持てるようになったのです。
失敗したり、思うように行動できなかったりして辛いときにこそ、自分が頑張ったことを認めてほめることが大切です。そうすることで、私は自己肯定感を高めに維持することが出来、レジリエンス(精神的回復力)を保てたのだろうと思います。
ちなみに私のめまいは、退職後に少しずつ治っていきました。会社のストレスが原因だとは思いたくなかったのですが、ストレスが大きい中で仕事を続けられたのは、「自分をほめ続けた」からだと思います。
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